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  • 執筆者の写真Takahiro Sakai

府中芸術の森・ウィーンホール(ピアノ&Voice レコーディング)

更新日:2021年8月21日


5月14日に府中芸術の森劇場・ウィーンホールで、ピアノと声楽の収録をしてきました。この収録も回を重ねてきましたが、今回より南国の鳥と絶景をテーマに新しいシリーズがスタートしました。演奏者である小金井音楽アカデミー学院長の玉木豊先生は、南国の鳥と世界の絶景を集めた写真集に沿って、即興演奏でイメージを創っていきます。演奏を始める前に写真をじっとご覧になり、そのイメージで演奏を始めます。

イメージとなる主な写真集は、ナショナル・グラフィック社から出版されているもので、2004年~2011年にかけてパプアニューギニアで実施された極楽鳥プロジェクトで集められた写真を編纂したものです。生物学者でもあり写真家でもあるティム・レイマンさんと鳥類学者でもあり極楽鳥研究の世界的第一人者であるエドウィン・スコールズさんのお仕事で、見て美しいのはもちろんですが学術的な価値も極めて高い写真の数々です。被写体が鳥ですから、いつシャッター・チャンスが訪れるか分からず、また、生息している地域の気候や地理も人間が足を踏み入れることを拒むような所ですから、シャッターを切る一瞬を得るためのご苦労は想像を絶するものがあったと思います。鳥の生態の知見はもちろんのこと、気候変化や地理、危険を回避する知恵も必要で、まさに命がけで収めた写真だろうと思います。



そんな貴重で美しい写真に感銘された玉木先生は、是非、音楽でイメージを綴りたいとおっしゃって、今回のシリーズがスタートしました。ウィーンホールの残響可変装置の設定もマイク設定も前回と同じにしましたが、今回の改善点は、三点吊り装置に取り付けたメイン・マイクの出力をダイレクトにプリアンプに接続し、ラインレベルで舞台袖まで引き回しました。マイク・レベルの微弱な信号は長い距離の場合ノイズに対してどうしても弱く、とくにホールの場合は、舞台装置や照明装置が近傍にあるため、ノイジーになりがちです。この対策として、マイク直後に信号レベルを上げ、ダイレクトにオーディオ・インターフェイスに結線しました。普通に結線するよりクリーンで鮮度が高い収録ができたと思います。


玉木先生の演奏と声は、サスティンペダルを踏んだ時に、声とピアノが共鳴して、独特な音場をつくります。加えて、その響きはホール全体に広がっていって、雄大で幻想的な雰囲気を醸し出します。セッティングは、ピアノの大屋根を取り外し、ピアノ上部から放射される音と歌声が融合してホール全体に音が浸透していく音場を捉えるよう工夫しています。



収録した中から2曲ご紹介します。



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