「響き」と「自分」に出会う時間 〜STUDIO 407 ピアノホールレコーディング体験キャンペーン 2025 開催レポート〜
- STUDIO 407 酒井崇裕

- 22 時間前
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更新日:8 時間前
ピアノホールレコーディング体験キャンペーン 2025
去年に続き2回目となる「STUDIO 407 ピアノホールレコーディング体験キャンペーン 2025」を、11月5日に無事開催いたしました。
募集開始直後から予想を上回る多くのお問い合わせをいただき、皆様のピアノ演奏にかける熱意を改めて実感いたしました。心より感謝申し上げます。今回は9名の募集枠でしたが、残念ながら抽選に漏れてしまった皆様も、ぜひ次回の機会にご応募いただければ幸いです。
濃密な50分間、ホールに響くそれぞれの「音」
ご参加くださった方々の多くが、ホールでのレコーディングはもちろん、レコーディング自体が初めての経験でした。
事前練習を終え、ご自身のピアノの音がホールに響き渡り、それがクリアに再生されるのを聴いた瞬間の、皆様の驚いた表情や笑顔を拝見し、このキャンペーンを実施して本当によかったと思いました。

セッションは50分という短い時間でしたが、ホールには濃密な時間が流れました。プレイバックを聴く際は、楽譜を片手に真剣な眼差しでご自身の演奏と向き合う姿が非常に印象的でした。また、ご家族でいらっしゃった方々が「あのテイクの方が良かった」「ここはこう弾くべきだ」と活発な議論を交わされる微笑ましい場面もあり、音楽一家の素敵な日常を垣間見るようでした。
今年はショパン国際ピアノコンクールの開催年ということもあり、その余韻を反映してか、ショパンの作品を選ばれる方が多かったのも特徴です。

レコーディングは、演奏の「姿見鏡」
当日の短い会話の中で、普段ご自身の演奏を録音する際のご苦労や、録音しても満足のいく音質にならないといった悩みを打ち明けてくださる方もいらっしゃいました。
体験後には、次のような嬉しいお言葉を多数いただきました。
「普段はつい力んで弾いてしまいますが、ピアノってこんなに豊かに響くんですね!」
「自分の演奏の癖や、細かなニュアンスが驚くほどよく分かりました」
「自分で録音するのとは、まさに別世界です」
皆様のそうした言葉から、私たちがこのキャンペーンに込めた想いが伝わったことを実感し、とても嬉しかったです。
レコーディングとは、いわば演奏の“姿見鏡”のようなものです。鏡が曇っていたり歪んでいては、本来の姿は映りません。私たちレコーディングエンジニアは、生の響きをありのままに、限りなく透明に写し取るために全力を尽くす存在です。演奏家が紡ぎ出す生の響きそのものを忠実に映し出す、限りなく透明で正確な「姿見鏡」を用意するために全力を尽くす人種なのです。
ホールレコーディングを、もっと身近に
「ホールでのピアノレコーディング」と聞くと、多くの方がまず費用的なハードルを想像し、なかなか一歩を踏み出せずにいるのではないでしょうか。
私はこれまで、そうした一般的なイメージや心理的なハードルを少しでも下げ、手の届くリーズナブルな形で本格的なホールレコーディングを体験していただけるよう腐心してまいりました。「ホールレコーディングは想像していたよりもずっと身近なものだ」と実感していただくための努力を、私たちはこれからも続けてまいります。
それでは最後に、今回ご参加くださった方々の演奏から、掲載許可をいただいた皆様の演奏をダイジェスト動画でご紹介します。当日のホールに満ちた熱意と響きの一端を感じていただければ幸いです。





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