1月20日に「やなか音楽ホール」でメルボルンから来日したトリオ “Ensemble3”の収録をしてきました。3人揃っての来日は4年ぶり。前回の栃木県総合文化センターでの公演も収録させていただきましたので、とても楽しみに会場に向かいました。
やなか音楽ホールは、変形の6角形で、天井高が5.2mで、1階 79㎡ 2階 57㎡、客席100名、コンクリートの造りがモダンな雰囲気を醸し出している素敵なスペースです。2階席があるため、今回はこのスペースに陣取り、延長ポールを使ってマイク・セッティングを行いました。ライブ収録は、お客様の邪魔にならないよう、かつ、良いポジションにマイクを設置したいものですが、2階席から伸ばしたポールは伸縮が自在で、リハーサルの音を聞きながらベストな位置に設定できました。楽器のニュアンスと会場の響きのバランスを取りながら角度や距離を決めていきます。このポールはカーボン・ファイバー製でとても丈夫です。お客様の頭上から折れて落下する心配もありません。
メンバーのご紹介を簡単に。
栗田 昌英:フルート
イギリス、スイス、アメリカを経て、1998年よりオーストラリア・メルボルンに住居をかまえ国際的なソリスト活動をしている。栃木県宇都宮市生まれ。1993年東京芸術大学音楽部器楽科に入学。1996年から名門ロンドン王立音楽院で学ぶ。1994年より巨匠サー・ジェームズ・ゴールウェイ氏に師事、スイスでの同氏の国際フルートセミナーに参加、ゴールウェイ氏の数少ない弟子の一人として親しく教えを受ける。2000年のデビュー以降、2枚のCDアルバム、2005年にはナクソスよりCD「バークリー室内楽曲集」をリリース。ゴールウェイ氏譲りのハイエンドの技巧と濃密な音色で高く評価されている。
ジェイミー・ヘイ:チェロ
オーストラリア、クイーンズランド州、ケアンズ出身。1995年、オーストラリア・ブランデンブルグ・オーケストラのチェロ団員となる。その後バロックチェロの勉強のためしばらく休団したのち、2002年より同楽団の首席チェリストとして迎えられた。同年、ニューキャッスル音楽院より、優秀な生徒のみに与えられる、ディーンの勲章を授与。2003年には、バロックチェリストの鈴木秀美氏に師事するため、日本へ短期留学。現在、オーストラリアで最も優れたバロックチェリストとして、卓越したバロック音楽の演奏法、歴史的なリサーチからの解釈など、高い評価を受けている。
三宅 園華:ピアノ
千葉県市川市出身。高校在中にタスマニア島ホバート市のフレンズスクールに交換留学生として渡豪するが、オーストラリアに魅せられ、そのまま現地の高校を卒業し、タスマニア大学音楽部へと進み、同大学院を卒業。1997年「Young Australia」としてABCクラシックラジオ局から抜擢され、高田三郎のプレリュードの演奏が録音・放送される。在学中から、ソロ活動だけでなく、伴奏や室内楽にも力を入れ、数々の演奏家とタスマニア・ビクトリア州の各地で共演。現在は、メルボルンとジロングの学校でピアノ講師を勤めながら、演奏家として精力的な活動をしている。
プログラムはトリオの曲にソロを挟みながら、クラシックの室内楽からモダンな曲、懐かしい日本の調べも織り交ぜながら、素晴らしい演奏が展開されました。
収録した中から2曲ご紹介します。