10月23日に渋谷にあるタカギクラヴィア松濤サロンで、ピアノのライブ収録をしてきました。今回のライブは、フランス在住のピアニスト、“バルボット銀林 成江”さんのCDアルバム「LA LUNE」のリリースを記念したリサイタルで、一時帰国のタイミングで行われました。
バルボット銀林 成江さんのプロフィールについて少し。
6歳よりクラシックピアノを始める。国際基督教大学教養学部人文科学科仏文専攻卒業。パリ・エコールノルマル音楽院ピアノ科を首席で卒業。スチエンヌ静子、セリュジュ・プチジラール、ヴィクトリア・メルキ、ジェイ・ゴットリーヴ各氏に師事。 マドレーヌ・ド・ヴァルマレートコンクール審査員満場一致で優勝。 以来、25年に渡り、ヨーロッパ、日本、ニューヨークで演奏活動を展開し、その表現力に加えて音の美しさには賞賛が集まっています。多くの評論家に絶賛されているフランス楽曲以外にも、古典から現代曲までこなすその幅の広さ、また現代曲の解釈、即興演奏にも才能を示す稀有のピアニストです。日本演奏家連盟会員。ピアノ指導者フランス国家資格。ピアノオープンメリニャック国際コンクール、Enkor国際コンクール、クレドール国際コンクール審査員。2016年、初自主プロデュースによるアルバム「LA LUNE」をリリース。
レコーディングの準備・打ち合わせは専ら、ネット経由でフランスとのやり取りで行い、会場下見や収録の方法決定は日本側のSTUDIO 407が動くという形で進め、リサイタルの当日を迎えました。会場は「ホロヴィッツが恋したピアノ」ニューヨーク・スタインウェイのピアノ(製造番号CD75)を所蔵していることで有名な、タカギクラヴィア社の松濤サロンです。
松濤サロンは多くのピアニスト、ピアノを愛する人々が集う場として有名です。極上のニューヨーク・スタインウェイが迎えてくれるサロンには、ビデオカメラ、モニターディスプレイ、マイクホルダーなども常設されていて、来場者がピアノ演奏を堪能するための配慮が行き届いていると感じました。収録する側としても、天井に設置されたマイクホルダーはありがたく、視覚的に邪魔にならず、かつ、よい音が収録できるようにマイク・スタンドを立てる苦労が軽減されます。天井にあるホルダーの場所は、ピアノ近接とオーディエンス側と2つ選べることも嬉しい工夫で、今回は、近接位置にステレオ・ペアでマイクを設置させていただきました。
リサイタルの曲目は、アルバムに収録されている曲をほぼカバーする内容で、ファンにとっても嬉しい時間だったのではないかと思います。ブラームスの間奏曲から始まり、ラヴェルと続き、ドビュッシーの前奏曲・第1巻の全曲を通しで演奏するという内容。その後、ジャズ・テイストな雰囲気に進み、最後のアンコールでショパンを演奏されました。ドビュッシーの前奏曲・第1巻には、人気の高い曲が多く、私も大好きな曲があるので、とても楽しめました。当日のライブ演奏から2曲お聴きください。