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  • 執筆者の写真Takahiro Sakai

玉木豊さん 府中の府中の森芸術劇場 ウィーンホール

更新日:2021年8月21日

7月29日に森芸術劇場・ウィーンホールで、ピアノと声楽の収録をしてきました。このプログラムは年に2回程度継続して行っているプログラムで、いつもの通り現場へ向かったのですが、中央高速・三鷹料金所を過ぎて直後、突然、焦げ臭いがたちこめて、車のエンジンがストップ。完全に立ち往生となってしまいました。取り急ぎレッカー要請をしつつ、収録現場へ向かう算段をしていたのですが、高速道路上に配車してくれるタクシー会社はどこにもなく、途方に暮れていたのですが、駆け付けてくれたレッカーの運転手さんに事情を話したところ、幸運なことにホールに立ち寄ってから修理工場へ向かってくれるとのことで、無事会場に辿り着くことが出来ました。突然のことでかなり焦りましたが、無事収録を完了することができてホッとしました。



毎回このプログラムのセッティングは、ホールの回線を使わず、吊りマイクから直接ケーブルをひき、直下のプリアンプへ入力後、オーディオインターフェイスまでダイレクト入力するようにレコーディングしているのですが、今回は、時間がない速攻セッティングで、通常のホールの回線を使って収録しました。収録後、前回(ダイレクト入力)と今回(ホール回線)のデータを比較してみると、興味深い結果が見て取れます。



上段が今回(ホール回線)で、下段が前回(ダイレクト入力)ですが、上段のグラフには16KHzから上の周波数(約90KHz)にかけて、何本も白い筋が見えます。これらは、ホールに施設してある音声ケーブルの近傍を走っている照明電源や制御機器の影響によるノイズ成分と想像されます。ケーブルの距離も長いですから、それ以外のノイズを拾っている可能性もあると思います。このノイズ成分は可聴範囲にかぶっているのは僅かなので、聴感上問題がないとも言えますが、ハイレゾ収録においては、この周波数帯域も収録対象となるため、無視することはできないものと思います。対して、ダイレクト入力のデータはクリーンでノイズの筋が認められません。

これまでの経験上、ホールの音声回線は、ホールごとによってかなりばらつきがあるものと感じており、聴感上、明らかにノイジーなところもありました。

セッションレコーディングでは吊りマイク装置を用いることなく、マイクスタンドを使ってのレコーディングが殆どですから、とくに問題になることはありませんが、吊りマイク装置を利用しての収録の場合、そのホールの回線の質を気に配っておくことは意味があると思います。

今回は思わぬトラブルに見舞われましたが、こうして目視できるデータを確認することができたことは良かったと思います。


収録した中から2曲、ご紹介します。




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