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代表的な世界のピアノ・メーカー 豆知識 ① 日本編

  • 執筆者の写真: STUDIO 407 酒井崇裕
    STUDIO 407 酒井崇裕
  • 2014年8月8日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年6月19日


今回から数回にわたり、世界のピアノ・メーカーについて書きたいと思います。誰もが知っているメジャーのメーカー以外にも、小さいながらも、とても優れたピアノを制作している工房がたくさんあります。拘りと個性豊かなピアノを発見するのも楽しいと思います。数が多いため、国別に数回に分けてお届けします。まず今回は、日本です。

1. ヤマハ株式会社(YAMAHA)

今や世界中の誰もが知っているメジャーブランド「YAMAHA」。ヤマハの創業者は嘉永4年(1851年)に紀州で生まれた山葉寅楠という人です。 寅楠は時計職人として仕事を始めますが、うまくいかず、紆余曲折の後、運命的な楽器「オルガン」と出会います。その後、ピアノ製造に着手し、明治33年、国産第1号といわれる アップライトピアノが生まれます。こうして産声を上げた国産ピアノは、その後、ベヒシュタインの監督技師であるエール・シュレーゲル氏を招聘し技術的な指導を受けたりしながら音楽的に洗練されたピアノとして成長していくことになります。

ヤマハの功績は、日本流とも言える現代的な流れ作業によるピアノ生産の方法を確立し、ピアノ・大量生産への道を開いたことだと言えます。これにより、それまで高嶺の花であったピアノの価格を下げ、一般の家庭でもピアノが購入できるようになりました。世界のトップ・ピアニストからも評価されるヤマハ・ピアノの存在は、日本人として嬉しいですね。

2. 株式会社河合楽器製作所(KAWAI)

YAMAHAと並んで日本の2大メーカーの一つ「KAWAI」は河合小市という人が創設しました。小市は根っからのエンジニアで天才と言われた人でした。11歳でYAMAHAの創設者である山葉寅楠の弟子となり、二人で初となる国産ピアノを世に送り出しました。寅楠がこの世を去ったその後、日本楽器(現・ヤマハ)で既に高い地位にあった小市でしたが、彼を慕っていた技術者と共に1927年「河合楽器研究所」を創立しました。名称を“研究所”としたところがいかにも技術者らしく興味深いですね。技術者集団だった彼らは、すぐさまアップライトピアノとグランドピアノの制作に着手し、国内外で高い評価を得ます。1929年、社名を「河合楽器製作所」と改め、日本の2大ピアノ・メーカーとして世界にその名を知らしめています。

技術者集団から始まった「KAWAI」は、「世界一のピアノづくり」を理想に掲げ、ピアノの重要な構造体の一つであるアクションの国産化に初めて成功しています。ピアノの品質向上に心血を注ぎ、1980年グランドピアノ専門の竜洋工場を建設。芸術性の高いピアノを作るための理想的な環境として「森の中の緑の工房」をコンセプトとし、熟練技術者による手作り工程と最新の試験研究設備を備えたこの工場で、世界のコンクールで高い評価を受けているコンサートグランドピアノ“EX”が生まれています。

3.その他、国内のピアノ・ブランド

2大メーカー以外に国内には個性的なピアノ工房が数多く存在します。小さいながらも手作りで丁寧な仕事をしているメーカーは好感が持てますね。以下は数多くある中の一部になりますが、簡単に紹介しておきます。

・東洋ピアノ製造株式会社 

APOLLOブランドのピアノの他、ED.SEILERなどのブランドを扱っています。オーダーメイドピアノの注文やインテリアデザイン性の高いピアノなどを出しています。

・株式会社ディアパソン

河合楽器の子会社ですが、ディアパソン独自のピアノ作りをしています。ロープライスですが、ベテラン職人による丁寧な出荷調整がされ、個々のピアノに手間をかけています。

・ウイスタリアピアノ製作所

1924年の創立で、創業90年の歴史をもつ会社です。創業者の斉藤喜一郎氏は、ピアノ製作技術研究のためドイツに留学し帰国後東京蒲田楽器製作所を設立し、現在のウイスタリアピアノ製作所の基礎を築きました。

・株式会社シュバイツァ技研

ドイツで生産された一流部品をはじめ、全て良質の部品を厳選し、熟練技術者による手工芸的作業によってピアノ作りをしている会社です。

・有限会社 エスピー楽器製作所(シュベスターピアノ)

「すべて手づくり」のピアノを守り、生産台数を限って、質の高い、表現力に卓越したピアノ作りをしている会社。国内メーカーとしては、ヤマハ、カワイに次ぐ3番目に古い歴史を誇る。

4.世界に誇れる国産ピアノ

我が国では、戦前の昭和2年~30年あたりまで、ピアノはかつてない売れ行きを見せるようになり、ピアノ・ブームともいえる状況になったそうですが、一般にピアノが普及する足並みと同時並行的に、ピアノ・メーカー、ピアノ工房が数多く誕生しました。その後、楽器作りにとって暗い影を落とす戦争に突入し、ピアノ生産は激減。戦後の廃墟から再出発できたピアノ・メーカーは限られたものと思います。そんな中でも、逞しく再生を果たした原動力は、音楽に対する社会の渇望だったのではないかと思います。

そうした歴史的背景を背負いながらも、世界的に高い評価を得るまでになった国産ピアノに触れる時、日本人として誇らしい気持ちになりますね。

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