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ピアニストのためのレコーディングガイド -あなたの理想の音を刻むためにー

  • 執筆者の写真: STUDIO 407 酒井崇裕
    STUDIO 407 酒井崇裕
  • 6月14日
  • 読了時間: 30分

更新日:10月11日

ようこそ、ピアニストの皆さん。あなたの指先から生まれる音楽、その一瞬一瞬の解釈を、永遠に残る芸術作品として形にしたい—その熱い想いを胸に、レコーディングという新たな挑戦の扉を開こうとしていることでしょう。このガイドは、そんなあなたのための道標です。ピアノレコーディングは、多くのピアニストにとって大きな挑戦であると同時に、自身の音楽を形に残す素晴らしい機会でもあります 。   


この道のりは、単にマイクを立てて音を録るという単純な作業ではありません。成功するレコーディングとは、3つの要素が完璧に調和した結果生まれるものです。それは、「芸術」(あなたの音楽的解釈と演奏そのもの)、「音響」(スタジオやホールの響きという空間の個性)、そして「技術」(あなたの演奏を翻訳する機材とそれを操るエンジニアの選択)の三位一体です。その最終目標は、技術的な完璧さだけを追い求めることではなく、聴き手の心に深く響く、本物の感情的な繋がりを持った音楽作品を創造することにあります 。   


このガイドは、レコーディングエンジニアの視点から書かれていますが、難解な専門用語を並べた技術解説書ではありません。むしろ、ピアニストであるあなたが、レコーディングという共同作業の主役として、自信を持って的確な判断を下し、チームと円滑なコミュニケーションを取るための知識と考え方を提供することを目的としています 。あなたがエンジニアになる必要はありません。しかし、エンジニアが「なぜ」その選択をするのか、その背景にある原理を理解することで、あなたは受動的な演奏者から、プロジェクトを導く能動的な芸術家へと変わることができるのです。この理解こそが、あなたの音楽的ビジョンを曇りなく音源に焼き付けるための、最も確かな鍵となります。さあ、あなたの音楽の証を創り上げる、創造の旅を始めましょう。   




第1章:最初の一歩 - 理想のサウンドの探求と計画


レコーディングという旅は、楽器に触れるずっと前から始まっています。それは、あなたの頭の中にある漠然とした「理想の音」に、具体的な輪郭を与えることからスタートします。この初期段階での計画の精度が、プロジェクト全体の芸術的なクオリティと、現実的な予算の両方を左右するのです。


あなたの音の羅針盤:リファレンス音源を探る


「あんな感じのピアノサウンドにしたいなぁ」—レコーディングを志すとき、きっとあなたの心の中には、敬愛するアーティストの特定の音源が浮かんでいるはずです。その音源こそが、あなたのプロジェクトを導く「音の羅針盤」、すなわちリファレンス(参考)音源となります 。   


しかし、ただ漠然と聴くだけでは不十分です。リファレンス音源を徹底的にリサーチし、分析することが、あなたのビジョンを具体化する上で極めて重要になります。


  • クレジットを解読する:CDのブックレットや配信サービスのクレジット情報を隅々まで確認しましょう。そこには「収録場所(ホール名やスタジオ名)」「レコーディングエンジニア」「プロデューサー」「使用ピアノ(メーカーやモデル)」といった情報の宝庫が眠っています。時には、使用マイクや機材まで記されていることもあります。   


  • 舞台裏を探る:インターネットで、そのアーティストやエンジニアの名前と「レコーディング」というキーワードを組み合わせて検索してみてください。制作過程に関するインタビュー記事や、レコーディングに焦点を当てたドキュメンタリー映像が見つかるかもしれません。彼らの音作りに対する哲学やこだわりを知ることは、非常に有益なヒントになります。


  • 聴き比べる:YouTubeのようなプラットフォームを活用し、同じ曲の異なるレコーディングを集めたプレイリストを作成しましょう。そして、ただメロディを追うのではなく、「空間の広がり」「ピアノのアタックの明瞭さ」「全体的な音色の暖かさや明るさ」といった音響的な側面に集中して聴き比べてください。これにより、あなたの好みがより明確になります 。   


たとえ世界的なアーティストと全く同じ条件を再現することは不可能でも、このリサーチを通じて、レコーディングの基本的なスキーム、つまり、ホール録音かスタジオ録音か、ピアノのモデルは何か、エンジニアはどのようなサウンドポリシーを持っているのか、といった、プロジェクトの骨格が見えてくるはずです 。   



ジャンルとアプローチ:基本的な選択


あなたの演奏する音楽のジャンルが、レコーディングの基本的なアプローチを決定します。   


  • クラシック音楽:クラシックピアノの録音は、その楽器が持つ本来の響きと、それが空間と融合する様を捉えることを目指します。そのため、一般的にはコンサートホールや教会のような、自然で豊かな響き(リバーブ)を持つ空間が選ばれます。ここでの目標は、ピアノという楽器が、その音響空間の中で「呼吸している」様子を記録することです 。   


  • ジャズ&ポップス:これらのジャンルでは、他の楽器とのアンサンブルや、後からの音作り(ミキシング)の自由度が重視されます。そのため、外部の音から遮断され、響きがコントロールされたレコーディングスタジオが最適です。スタジオでは、ピアノにマイクを近接させて(クローズマイキング)、クリアで直接的な音を収録します。これにより、後から人工的なリバーブを加えたり、他の楽器とのバランスを精密に調整したりすることが容易になります 。   



予算という現実:準備こそが究極のコスト削減


レコーディングには相応の費用がかかります。その構造を理解し、賢く計画を立てることが不可欠です。レコーディング費用は、非常にシンプルな構造で成り立っています 。   


総費用=固定費(調律費など)+(施設使用料+ピアノ使用料+エンジニア費)×時間

この式が示す最も重要な事実は、レコーディング費用は「時間」に支配されるということです。つまり、テイク数が少なく、編集箇所が少なければ、それだけ収録時間と編集時間が短縮され、結果的に費用を大幅に圧縮できるのです 。   


ここで、ある重要な関係性が見えてきます。それは、ピアニストの「音楽的な準備の質」が、プロジェクトの「予算」と「芸術的完成度」に直接結びついているという事実です。


  1. 完璧な音楽的準備(楽曲の完全な暗譜と解釈の確立)は、

  2. レコーディング本番でのミスの減少と、演奏への自信につながり、

  3. 結果として、決定的な演奏を捉えるためのテイク数を最小限に抑えます。これにより、

  4. 最大の変動費であるスタジオやホールの利用時間が短縮され、予算が削減されます。   

  5. さらに、編集箇所が少ない音源は、音楽的な流れが自然で、生命感に溢れています。「継ぎはぎだらけ」の面白みのない演奏になるリスクを回避できるのです 。   


準備不足のまま「後で編集できるから」という安易な考えで現場に臨むことは、時間と費用を浪費するだけでなく、作品の芸術性を著しく損なう行為に他なりません。あなたの完璧な準備は、単なる自己満足ではなく、プロジェクトに関わるチーム全員の時間と才能、そしてなによりあなた自身の芸術に対する、最大の敬意の表れなのです。

また、クオリティと投資の関係も直視する必要があります。食事に例えるなら、数百円のファストフードに、数万円の高級レストランの味と体験を求めるのは不可能です 。あなたの録音を、手軽な記念品にしたいのか、それとも一生残る芸術作品にしたいのか。その目的に応じて、適切な投資を行う覚悟が求められます。   



第2章:信頼できるチーム結成 - 成功は共同作業である


ピアノレコーディングは孤独な作業ではありません。あなたの音楽的ビジョンを現実の音として具現化するためには、最高の専門家たちとの協力が不可欠です。エンジニアと調律師は、単なる技術スタッフではなく、あなたの芸術的パートナーとなる存在です。


レコーディングエンジニア:あなたの音の建築家


エンジニア選びは、プロジェクトの成否を分ける最も重要な決断と言っても過言ではありません。彼らは、あなたの演奏を最終的な音源へと昇華させる「音の建築家」です。しかし、数多いエンジニアの中から、どうやって自分に合ったパートナーを見つければよいのでしょうか。

ホームページに並んだ高価そうな機材の写真に惑わされてはいけません。それは料理人の厨房に並んだ包丁や鍋を眺めるようなもので、それだけでは料理の味は分かりません 。重要なのは、そのエンジニアがどのような「音の哲学」を持っているかを見極めることです。そのための強力なツールとして、エンジニアを2つの軸、4つの象限で分類する考え方があります 。   


  1. 縦軸:音楽指向 vs オーディオ指向

    • 音楽指向:エンジニアの第一目標が「良い音楽作品を創る」ことにあるタイプ。音楽的な文脈を深く理解し、演奏のニュアンスを最大限に引き出すことを目指します。

    • オーディオ指向:第一目標が「良い音で録る」ことにあるタイプ。機材の性能を極限まで引き出し、技術的に完璧なサウンドを追求します。


  2. 横軸:リアリズム vs クリエイティブ

    • リアリズム:演奏された空間の響きや雰囲気を、ありのままにリアルに捉えようとする自然主義的なアプローチ。

    • クリエイティブ:録音やミキシングの技術を駆使して、現実にはないような独創的な音の世界を創り出すことを目指すアプローチ。

      エンジニアの類型
      4象限はエンジニアのポジショニング傾向を示すもので固定化されたものではありません。セッションの性質によって、自由にそのポジションを変化させるエンジニアも存在します。

クラシックピアノのレコーディングでは、多くの場合「音楽指向」かつ「リアリズム」の象限に位置するエンジニアが理想的なパートナーとなるでしょう。しかし、これは絶対ではありません。あなたの音楽が求める世界観によって、最適なエンジニアのタイプは異なります。

エンジニアを選ぶ際は、料理人が得意な「料理のジャンル」を見極めるように、その人の過去の作品を聴き、サウンドの傾向を確認することが不可欠です 。そして、候補が見つかったら、必ず直接コミュニケーションを取りましょう。あなたのやりたい音楽を情熱を持って理解し、その実現のために真摯に協力してくれる人こそが、最高のパートナーです 。   



調律師:ピアノの魂の守護者


レコーディングにおける調律師の役割は、単に音程を合わせるだけにとどまりません。特に、日常的にコンサートやレコーディングに携わっている「コンサートチューナー」と呼ばれる人々は、あなたの強力な相談相手となります 。   


彼らは、特定のホールの響きや、そこに常設されているピアノの癖やコンディションを熟知しています。「このホールなら、ピアノのこの部分がよく響く」「あのホールのピアノは、最近あまり状態が良くない」といった、一般には知り得ない貴重な情報を持っているのです 。   


優れた調律師は、「調律(音程)」「整調(タッチやメカニックの調整)」「整音(ハンマーを調整して音色を作る)」という3つの技術を駆使して、ピアノを最高の状態に仕上げます 。あなたの音楽的要求を伝え、それを実現してくれる信頼できる調律師をチームに迎えることは、レコーディングの質を大きく向上させます。   



コラボレーションの言語:事前の準備が鍵


最高のチームを組んでも、円滑なコミュニケーションがなければその力は半減してしまいます。レコーディング当日、限られた時間の中で最高のパフォーマンスを発揮するためには、事前の綿密な打ち合わせが不可欠です 。   


  • 楽譜の共有:エンジニアやプロデューサーには、書き込みがしやすいように余白を多めにとった楽譜を、事前に渡しておきましょう。これにより、彼らは音楽の流れを把握し、編集が必要になりそうな箇所や、音楽的に重要なポイントをあらかじめ予測することができます。

  • リファレンスの共有:第1章でリサーチした参考音源をチームで共有し、「この音源の、この部分の響きが理想だ」というように、具体的なイメージを伝えます。言葉だけでは伝わりにくい音のニュアンスを共有するための、最も効果的な方法です。

  • 決定権の確認:セッション中に意見が分かれた場合、最終的な音楽的判断を誰が下すのか、あらかじめコンセンサスを取っておくことが重要です。多くの場合、それは演奏者であるあなたですが、この役割分担を明確にしておくことで、現場での混乱を避けスムーズな進行が可能になります。  


最高のレコーディングは、厳格な階層構造からではなく、お互いの専門性を尊重し、共通の芸術的目標に向かって協力し合う「エコシステム(生態系)」のようなチームから生まれます。民主主義的な多数決は、尖った個性を削ぎ落とし、予定調和の退屈な作品を生み出しかねません 。あなたの芸術的ビジョンを主軸としながらも、エンジニアや調律師の専門的な意見に真摯に耳を傾ける。その自由闊達な雰囲気こそが、創造性を最大限に引き出すのです。   



第3章:舞台を選ぶ - 完璧な空間と楽器の探求


あなたの音楽が鳴り響く「場所」と、その声となる「楽器」。この2つの選択は、レコーディングの性格を根本から決定づける、極めて重要な決断です。コントロールされた精密な世界か、それとも豊かに広がる自然な響きの世界か。あなたの音楽は、どちらの舞台を求めているでしょうか。


スタジオ:コントロールされた精密さの世界


レコーディングスタジオは、音を録るためだけに設計された、いわば「音の無菌室」です。外部の騒音から完全に遮断され、部屋の響きは意図的にコントロール(多くはデッドな傾向)されています 。   


  • メリット:この環境は、特にジャズやポップス、あるいは他の楽器とのアンサンブルを録音する場合に絶大な威力を発揮します。ピアノの音だけを純粋に、分離して捉えることができるため、後からミキシングで他の楽器と混ぜ合わせたり、リバーブなどのエフェクトを自由自在に加えたりすることが可能です 。   


  • 注意点:スタジオを選ぶ際に最も重要なのは、そこに常設されているピアノの質です。メーカーやモデルはもちろん、そのピアノがどれだけ丁寧にメンテナンスされているか(温湿度管理、調律の頻度など)が、サウンドのクオリティを大きく左右します。必ず事前にスタジオを訪れ、自分の手でピアノを弾き、そのコンディションを確かめるようにしてください 。   



ホール:クラシックピアノの王道


クラシックピアノのレコーディングにおいて、コンサートホールは王道であり、最高の選択肢です 。現代のコンサートグランドピアノは、そもそも広いホールで、遠くの聴衆まで音を届けることを前提に設計されています。壁や天井に反響し、豊かにブレンドされたホールの響きは、ピアノという楽器が持つ本来の歌声と色彩を、余すところなく引き出してくれます。これは、人工的なリバーブでは決して再現できない、生命感あふれる自然な奥行きと広がりです 。   


  • ホールの選び方

    • 規模:ピアノソロのレコーディングには、客席数が300〜700席程度の中規模ホールが最適とされています。大きすぎると響きが飽和して音像がぼやけ、小さすぎると初期反射音がきつくなり、窮屈なサウンドになりがちです 。   


    • 響きの質:ホームページに記載されている「残響時間(RT60)」という数値は、あくまで参考程度です。重要なのは数値の長さではなく、その響きが音楽的で美しいかという「質」です。こればかりは、実際にそのホールに足を運び、自分の耳と体で体感するしかありません 。   


    • 静粛性:レコーディングの大敵はノイズです。空調設備の音、外部の交通騒音、建物内の他の部屋からの音漏れなど、徹底的にチェックする必要があります。信頼できる調律師やエンジニアは、こうしたホールの「裏の顔」にも精通しています。   



究極の選択:常設ピアノ vs. 持ち込みピアノ


ホールでのレコーディングを決めた後、もう一つの重要な選択が待っています。それは、ホールに常設されているピアノを使うか、それともレコーディング専用に完璧に整備されたピアノを外部から持ち込むか、という選択です。

常設ピアノは手軽ですが、不特定多数の人が様々な目的で使用するため、必ずしもレコーディングに最適なコンディションとは限りません。また、公共の楽器であるため、ピアニスト個人の好みに合わせた大胆な調整(特に音色を決定する「整音」)には限界があります。   


一方で、ピアノを持ち込むという選択肢は、費用も手間もかかりますが、最高の芸術性を追求するならば、その価値は計り知れません。この選択は、単なる贅沢ではなく、作品のクオリティを根本から引き上げるための、極めて合理的な投資なのです 。   


特徴

ホール常設ピアノ

持ち込みピアノ

楽器の選択

選択不可。そのホールにあるピアノのみ。

複数台のストックから、楽曲や好みに合わせて最適なメーカー・モデルを選択可能。

コンディション

不特定多数が使用するため、状態は様々。レコーディングに最適とは限らない。

レコーディング専用に、最高のコンディションで維持・管理されている。

カスタマイズ

公共の楽器のため、標準的な調整のみ。特に音色を変える「整音」は通常禁止。

自分の好みに合わせて、調律・整調・整音を技術者にリクエストし、完全なカスタム調整が可能。

演奏者の慣れ

当日初めて弾くことが多く、楽器に慣れる時間が必要。

事前に選んだピアノで練習できるため、本番では楽器の特性を完全に把握した状態で演奏に集中できる。

ロジスティクス

手間はかからない。

運送・搬入の手配が必要。専門業者への依頼が必須(費用目安:近距離で30,000円〜、長距離や特殊作業でさらに加算 )。   


コスト

ピアノ使用料はホール利用料に含まれるか、比較的安価。

ピアノレンタル料(例:コンサートグランドで1日あたり約90,000円〜 )+運送費+専門技術者の費用がかかる。   


最適なケース

予算を抑えたい場合。デモ音源の作成。事前の試弾でピアノに満足できた場合。

最高の芸術性を追求する商業リリース。コンクール用の録音。ピアニストが楽器の不安要素を完全に取り除きたい場合。

この決断は、あなたのレコーディングが目指すゴールそのものを問いかけます。利便性とコストを取るか、それとも芸術的なコントロールと究極のクオリティを取るか。持ち込みピアノという選択肢は、レコーディングにおける最大の不確定要素の一つである「楽器」を、完全に自分の味方につけるための、最も確実な方法なのです。



第4章:テクノロジーの理解 - ピアニストが知っておくとよいエンジニアのツールボックス


レコーディングのテクノロジーは、一見すると複雑で近寄りがたく感じるかもしれません。しかし、その目的はただ一つ、あなたの演奏をありのままに、そして最も美しく捉えることです。ここでは、エンジニアが使う道具箱の中身を、ピアニストのあなたが理解できるよう、分かりやすく解説します。その根底にある哲学は「クリーンな窓」—テクノロジーは音に色をつける絵筆ではなく、あなたの音楽を曇りなく映し出す、どこまでも透明な窓であるべきだ、という考え方です。


マイク:音楽の魂を捉えるセンサー

代表的なマイクロホン
クラシック録音でよく使われるマイク(ノイマン、ショップス、DPA、ゼンハイザー)

ステレオ録音で使われるマイクの配置方法は、最終的な音源の「聴こえ方」—空間の広がりや音像のシャープさ—を決定づけます。クラシックピアノ録音で主に使われる代表的なテクニックを、その音響的なキャラクターと共に見ていきましょう 。   


テクニック

概要

音のキャラクター

最適な用途

A/B (スペースドペア)

2本のマイクを離して設置する方式。音の到達時間差でステレオ感を生み出す。

広大&没入的:最も自然で、コンサートホールの最良の席で聴いているような、広く包み込まれるサウンド。

響きの良いホールで、自然な空間感を最大限に活かしたいクラシック録音の王道。

ORTF (ニアコインシデント)

2本のマイクを17cm離し、110度の角度で設置。時間差と音量差の両方を利用。

バランス&明瞭:A/Bの広がりと、XYのシャープさの中間。適度な空間感を保ちつつ、ピアノの輪郭をクリアに捉える。

響きが完璧ではない部屋でも、ぼやけずにしっかりとしたステレオイメージを作りたい場合に有効。

XY (コインシデント)

2本のマイクの先端を可能な限り近づけて設置。音量差のみでステレオ感を生み出す。

フォーカス&センター:最もシャープで、センターの音像がしっかりしたサウンド。位相の問題が起きにくく、モノラル再生にも強い。

放送用や、他の楽器と混ぜることを前提とした録音。または、非常にタイトな音像が欲しい場合。

M/S (ミッドサイド)

指向性の異なるマイク2本を組み合わせ、録音後にステレオの広がりを自由に調整できる方式。

柔軟&可変:ミキシング段階で、ステレオの幅を狭くしたり広くしたりと、後から調整できる唯一無二の柔軟性を持つ。

ポストプロダクションでの自由度を最大限に確保したいプロジェクト。


あなたがエンジニアに「もっと包み込まれるような広いサウンドにしたい」と伝えれば、彼はA/B方式を試すかもしれません。「もう少しピアノの輪郭をはっきりさせたい」と伝えれば、ORTFやXYを検討するでしょう。このように、テクニックの名称を覚える必要はありませんが、それぞれの「音のキャラクター」を知っておくことで、エンジニアとの対話がより深く、建設的なものになります。


プリアンプ:微弱な信号を捉える極めて重要なプロセス


マイクロフォンが捉えた音の信号は、実は非常に微弱です。それを、録音機材が扱える適切なレベルまで、クリーンに増幅するのが「マイクプリアンプ(マイクプリ)」の役割です。これは信号経路の最初の、そして最も重要な増幅段です 。   


プリアンプには大きく分けて2つの設計思想があります。


  • トランスレス設計:このタイプのプリアンプは、ひたすらに「透明性」と「正確さ」を追求します。例えるなら、不純物のない完璧な光学ガラスのようなもの。色付けを一切せず、マイクが捉えた音をありのままに増幅します。音の立ち上がり(トランジェント)が非常に速く、繊細なニュアンスを逃しません。この忠実性こそが、現代のクラシック録音でトランスレス設計が標準とされる理由です 。   


  • トランスフォーマー設計:こちらは、入力段にトランスという電子部品を使います。信号レベルが上がると磁気飽和を起こし、特徴的な倍音歪みを生成するのが特徴。また、磁気共有(ヒステリシス)の原理により、トランジェント(音の立ち上がり)が原理的に鈍る、あるいは「丸まる」傾向があります。トランスは、信号にわずかな「色」や「暖かみ」、そして独特のサチュレーション(飽和感)を加える性質があります。

    これはロックやポップスの世界では、サウンドに「パンチ」や「一体感」を与える望ましい効果として多用されますが、クラシックピアノの自然な倍音や繊細な響きを、ある意味でマスキングしてしまう可能性もあります 。   


    代表的なトランスレスプリアンプ
    代表的なトランスレスプリアンプ(ミレニア、グレースデザイン、GML、アースワークス、SPL)

あなたの録音が、ありのままの演奏を記録するドキュメンタリーであるならば、プリアンプはどこまでも透明な「トランスレス」であるべきです。この選択もまた、「クリーンな窓」という哲学に基づいているのです。


少しだけ、「位相」についての話


レコーディングの話をしていると、「位相(フェーズ)」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。複数のマイクで一つの音源を録る際に、それぞれのマイクに音が届くごくわずかな時間差によって、特定の周波数が打ち消し合ってしまう現象(コムフィルター)が起こることがあります。これが起こると、音が薄っぺらくなったり、奇妙な響きになったりします 。   


これを管理するのは、完全にエンジニアの専門領域です。彼らは、マイクの配置をミリ単位で調整したり、「3:1ルール」のようなガイドラインに従ったり、あるいはDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)上で波形を微調整したりすることで、この問題を巧みに回避し、ソリッドで力強いサウンドを確保します 。ピアニストであるあなたがこの技術を理解する必要はありません。ただ、「位相管理」とは、エンジニアがクリアでパワフルな音を録るために行っている、非常に繊細で重要な作業なのだと知っておくだけで十分です。   



第4章:レコーディングセッション - 創造の現場


いよいよ、レコーディング当日。ここは、あなたの長年の鍛錬と周到な準備が、一期一会の「魔法」と出会う特別な空間です。このセッションがどのような流れで進むのか、そしてその舞台裏でエンジニアは何を考えているのかを知ることで、あなたはよりリラックスし、自信を持って演奏に臨むことができるでしょう。


あるレコーディングの物語:セッションのタイムライン


ここでは、典型的な2日間のホールレコーディングがどのように進むのか、その流れを物語のように追ってみましょう。これはあくまで理想的なモデルですが、プロセス全体を具体的にイメージする助けとなるはずです 。   

セッションのタイムライン

【初日:緊張と集中の始まり】

  • 午前9:00 - 搬入・セッティング:ホールの開館と同時に、チームは迅速に行動を開始します。ピアノがステージの最適な位置に置かれ、調律師が約2時間をかけてじっくりとピアノの魂を呼び覚ます間、エンジニアはマイクセッティングを注意深く行っていきます。この最初の2時間は、セッション全体の音の方向性を決定づける、最も集中力を要する時間です 。   


  • 午前11:00 - テスト録音:あなたがホールに到着し、仕上がったばかりのピアノを試弾します。タッチ、響き、すべてがあなたのイメージと合致しているかを確認。そして、実際に数フレーズを演奏し、テスト録音を行います。コントロールルームで再生されたその音を聴き、エンジニアと「もう少し響きが欲しい」「アタックをクリアに」といった最終調整の対話を行います 。   


  • 午後1:00 - 本番収録開始:昼食で一息ついた後、いよいよ本番の赤ランプが灯ります。多くのピアニストは、セッションのウォーミングアップも兼ねて、比較的演奏しやすい曲から始めることを好みます。1曲を通して演奏し、プレイバックを聴き、修正が必要な箇所を特定していく。この「録音→プレイバック→確認」のサイクルを繰り返しながら、OKテイクの骨格を築き上げていきます 。   


  • 夕方 - 休憩と微調整:数時間の集中した作業の後、少し長めの休憩が入ります。この間に調律師がピアノのコンディションを再チェックし、必要であれば微調整を施します。ピアニストが思うように弾けずに行き詰ってしまった場合、無理にテイクを重ねるのではなく、ここで一度流れを断ち切り、気分転換を図ることも、ベテランのチームが持つ重要な判断です 。   


  • 夜 - 初日の終わり:その日の進捗を確認し、翌日の計画を立てて初日は終了。精神的な高揚で現場では気づきにくいですが、レコーディングは心身ともに極めてハードな作業です。ホテルに戻ると、心地よい疲労感と共に、深い休息が必要になります 。   


【2日目:慣れと完成への道】

  • 午前 - 再始動:2日目は、前日のセッティングを元に、ピアノの再調律と機材の再チェックから始まります。エンジニアは前日の録音データを整理し、OKテイクの仮編集を進めることもあります。

  • 午後 - ラストスパート:現場の雰囲気にも慣れ、ピアニストの演奏もエンジンがかかってきます。テンポよく残りの曲の収録を進め、夕方までには全曲の基本的な録音が完了することを目指します。

  • 夕方以降 - 確認とリテイク:全曲の録音が終わると、最後の、そして最も重要な作業が待っています。それは、2日間で録音したすべてのテイクを冷静に聴き返し、編集の方針を固め、本当にこれで完璧かを確認する作業です。時には「初日に録ったテイクよりも、今ならもっと良い演奏ができる」と感じ、急遽リテイク(再録音)を行うこともあります 。   


  • 夜 - 撤収:すべての作業が完了し、全員がOKを出した瞬間、安堵の空気が流れます。しかし、休む間もなく、チームは時間厳守で機材の撤収作業に入ります。この肉体労働が終わって初めて、2日間の長いセッションが本当に幕を閉じるのです 。   


    レコーディングの様子
    筆者のレコーディングの様子

エンジニアの頭の中:演奏心理学者として


セッション中、エンジニアは、ただメーターを眺め、音を聴いているだけではありません。彼らは、あなたの演奏の、最も集中した、そして最も共感的な最初の聴衆です。そして同時に、冷静な判断を下すプロデューサーであり、あなたの精神状態をケアする心理学者でもあります 。   


彼らは、ミスタッチだけでなく、ペダルのノイズ、椅子のきしみ、楽譜をめくる音といったオーディオ的な問題にも耳を澄ましています。しかしそれ以上に、あなたの集中力やエネルギーレベルを注意深く観察しています。「今のテイクは神がかっていたから、この勢いで続けよう」「少し疲れが見えるから、一度休憩を挟んでリフレッシュしよう」。そうした判断は、長年の経験に裏打ちされた、エンジニアのもう一つの重要なスキルなのです 。彼らは、あなたが最高の芸術性を発揮できる環境を整えるために、常に寄り添い、サポートしてくれている心強い味方なのです。   



編集の芸術:創造か、記録か


「完璧なノーミス演奏」を1テイクで収録できれば理想ですが、現代のレコーディングでは、何らかの編集が加えられるのが一般的です。この編集という行為には、大きく分けて2つの対極的な哲学が存在します 。   


  • A:一回性の尊重(記録としての編集):音楽は時間芸術であり、その瞬間に生まれた一度きりの流れこそが命だ、という考え方です。この立場では、編集はあくまで、演奏の大きな流れを損なわない範囲での、ごくわずかなミスの修正(例えるなら、身だしなみを整える程度)にとどめられます。演奏者の人間味や、そのテイクならではの「揺らぎ」を尊重します。

  • B:理想の追求(創造としての編集):こちらは、ライブ演奏の不確定要素を排し、テクノロジーを駆使して「完璧な理想の演奏」を構築しようとする考え方です。かのグレン・グールドがその代表で、彼は膨大なテイクの中から最高のフレーズを切り貼りし、編集作業そのものを創造的な行為と位置づけました 。   


どちらが正しいという問題ではありません。これは、あなたが自分の作品に対してどのような哲学を持つか、という根本的な芸術的選択です。ただし、忘れてはならないのは、編集はあくまで手段であるということです。「後で編集すればいい」という安易な考えは、演奏から緊張感を奪い、生命感のない、ただ正確なだけの音のパズルを生み出しかねません 。あなたの編集は、作品のためか、リスナーのためか、それとも自己の虚栄心のためか。その問いに誠実に向き合うことが、真に価値ある作品を生み出す鍵となります。   



第6章:ファイルから世界へ - 現代のマスタリングと配信


長いセッションを終え、編集が完了した音源。それはまだ、世に出る前の「原石」です。この原石を磨き上げ、リスナーの元へ届けるための最終工程が「マスタリング」と「配信」です。特に、ストリーミングが主流となった現代において、この最終段階の知識は、あなたの作品が意図通りに聴かれるために不可欠です。


マスタリングで大切なことは、調整されたリスニング環境で基準となるモニターで確認することです。一番よいのはエンジニアが調整している環境に同席して一緒に音を聴きながら確認を進めることです。あなたが聴きなれたオーディオ機器で聴くのは、最終段階では必要なことですが、調整の段階でその機器を基準とすることは危険です。基点を失って迷走してしまう恐れがあります。

現代のマスタリングでは部屋の音響特性に合わせてモニタースピーカーを精密にキャリブレーションして行うのが常識となっていますので、これを基準として調整するのが現実的です。


キャリブレーション機能を持ったモニターシステム
キャリブレーション機能を持ったモニターシステムの例(ジェネレック、ノイマン、ソナーワークス)

最後の芸術的仕上げ


マスタリングとは、アルバム全体の音質や音量を整え、曲間の無音部分を調整し、製品としての一貫性を持たせるための最終調整作業です 。クラシック音楽のマスタリングは、ポップスやロックとはその目的が大きく異なります。   


その最大の目標は、元の録音が持つ自然なダイナミクス(音量の幅)と音色を保持することです 。ピアニッシモの繊細な囁きから、フォルティッシモの壮大な轟きまで、その広大な表現の幅こそがクラシック音楽の命です。ラウドネス(音圧)を稼ぐために過度なコンプレッション(音量差を圧縮する処理)をかけることは、その命を奪う行為に他なりません。   


この繊細な作業を成功させるためには、マスタリングエンジニアが作業する「モニタリング環境」が極めて重要になります。スピーカーや部屋の音響特性が正確にキャリブレーション(補正)されていなければ、エンジニアは正しい判断を下すことができません。それは、色付きのサングラスをかけたまま絵画の色を修正しようとするようなものです 。   



ストリーミング時代の新常識:LUFSとラウドネスノーマライゼーション


あなたの音楽が最も多く聴かれる場所は、おそらくSpotifyやApple Musicといったストリーミングサービスでしょう。これらのプラットフォームは、「ラウドネスノーマライゼーション」という仕組みを導入しています。これは、ユーザーが曲ごとにボリュームを調整しなくても済むように、プラットフォーム側で自動的にすべての楽曲の再生音量を、ある一定の基準値に揃える機能です 。   


この基準値の単位として使われるのが「LUFS(Loudness Units Full Scale)」です。


プラットフォーム

「標準」の目標LUFS値

ピークレベル上限 (dBTP)

ピアニストへの実践的な意味

Spotify

-14 LUFS (Normal)

-1.0 dBTP

あなたのマスターが-14 LUFSより大きい場合、再生時に音量が下げられます。ダイナミクスを活かしたマスターが有利です 。   


Apple Music

-16 LUFS

-1.0 dBTP

Spotifyよりわずかに静かな基準値。ここでも、過度な音圧競争は無意味です。高品質なAACエンコーダーのため、高解像度のマスターファイル提出が推奨されます 。   


YouTube Music

約 -14 LUFS (変動あり)

-1.0 dBTP

近年、他のプラットフォームに基準を合わせる傾向にあります。ここでもダイナミックなマスターが推奨されます 。   


ここで、多くのアーティストが陥る大きな誤解があります。「Spotifyの基準が-14 LUFSなら、自分のマスターも-14 LUFSに合わせるべきなのか?」—答えは、「いいえ、その必要は全くありません」です 。   


この事実は、一見すると矛盾しているように見えるかもしれません。なぜなら、チャートを賑わす商業音楽の多くは、-14 LUFSよりも遥かに大きい、-9 LUFSから-7 LUFSといったレベルでマスタリングされているからです 。ここに、現代の音楽制作における最も重要なパラドックスが隠されています。   


このパラドックスを理解することが、あなたの作品を最高のかたちでリスナーに届ける鍵となります。


  1. 音圧を上げてラウドに作られたマスター(例:-8 LUFS)は、Spotifyで再生される際に、基準値である-14 LUFSまで音量を下げられます

  2. 一方、ダイナミクスを豊かに残して作られたマスター(例:-14 LUFS)は、ほぼそのままの音量で再生されます

  3. 重要なのはここからです。音圧を上げる過程で使われるコンプレッションは、音の大きい部分と小さい部分の差を縮めてしまいます。この「潰された」音源は、たとえ再生時に音量を下げられても、ダイナミクスのない、のっぺりとした印象のままです。

  4. 対照的に、ダイナミックなマスターは、ピアニッシモの息遣いとフォルティッシモの衝撃、その両方を保持しています。再生時に他の曲と同じ平均音量に揃えられても、その音楽的な躍動感や表現の幅は失われません


結論は明らかです。ラウドネスノーマライゼーションは、かつて業界を席巻した「音圧競争(ラウドネスウォー)」を終わらせました。もはや、他の曲に負けないようにと、不必要に音圧を稼ぎ、貴重なダイナミクスを犠牲にする必要は一切ないのです。

あなたの目標は、特定のLUFS値に合わせることではありません。あなたの目標は、それ単体で聴いて、最も音楽的で、表現力豊かで、ダイナミックに響くマスターを創り上げることです。そうすれば、ストリーミングプラットフォームがその音量をどう扱おうとも、あなたの音楽の真価は、決して損なわれることはないのです。


結論:あなただけの音楽を形にするレコーディングガイド


レコーディングという旅路を、計画の第一歩から、完成した音源が世界に羽ばたく瞬間まで、共に歩んできました。この長いガイドを通じて、一貫して見えてきた核心は、優れたレコーディングとは、単一の要素の成功ではなく、「芸術」「音響」「技術」という三位一体の意図的な統合によってのみ達成される、ということです。

あなたの音楽的ビジョンという羅針盤を手に、信頼できるチームという船員たちと共に、最適なホールという大海原へ漕ぎ出す。そして、テクノロジーという透明な窓を通して、あなたの演奏の真実を捉える。このプロセス全体を、あなたが主体的に、そして深く理解して臨むこと。それこそが、成功への唯一の道です。

レコーディングは、時に困難で、多大なエネルギーを要求される挑戦です。しかし、それは同時に、あなたというピアニストの、その瞬間のすべてを刻み込み、時を超えて響き続ける「音楽の証」を創造するという、この上なく創造的で、やりがいに満ちた行為でもあります。

最後に、未来への扉を少しだけ開いてみましょう。近年、レコーディングの現場に観客を招き入れる「公開レコーディング」という新しい試みが始まっています 。これは、ライブ演奏の持つ一回性のスリルと、レコーディングの持つ完成度を両立させる画期的なアプローチであると同時に、チケット収入によって制作費用を賄うという、新しい資金調達の可能性も秘めています。観客は、作品が生まれる瞬間の目撃者となり、制作者と一体となる。これは、クラシック音楽の創造と享受のあり方そのものを、よりオープンで、より魅力的なものへと変えていくかもしれません。   


恐れることはありません。このガイドで得た知識と自信を胸に、あなただけの音を、あなただけの物語を、永遠の響きとして刻み込んでください。あなたの創造の旅が、輝かしい成功を収めることを、心から願っています。



この記事は、「ピアニストのための成功するレコーディングガイド」の内容をコンパクトに圧縮し、一部加筆をしてブログにしました。より詳しい内容は書籍をお手に取って頂ければ幸いです。


ピアニストのための成功するレコーディングガイド

ペーパーバック書籍:1210円

付録:世界のピアノメーカ豆知識 つき



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卓越した技術と深い音楽性を探究されるハイレベルなピアニスト、そしてすべてのクラシック音楽家の皆様へ。 STUDIO 407は、あなたの演奏表現を、単なる記録ではなく、時代を超えて輝きを放つ芸術作品へと昇華させるための専門レコーディングサービスです。

【私たちの使命】

私たちの使命は、単に音を記録することではありません。 あなたの音楽に宿る魔法、表現に込めた情熱、そして一音一音に注がれる魂のすべてを深く理解し、受け止めること。その尊い響きを、色褪せることのない最高品質の音源として結晶させ、世界中の聴衆のもとへ届けること。それこそが、私たちの存在意義です。

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ピアノラジオ番組:二人の司会者が収録中
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