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  • 執筆者の写真Takahiro Sakai

MJオーディオフェスティバルでの音源再生

更新日:2021年8月21日


3月12日に、月刊誌「MJ 無線と実験」(株式会社誠文堂新光社)が主催するオーディオクラフトのイベント、MJオーディオフェスティバルに参加してきました。このイベントでは、自作オーディオファンが、広い空間で大勢の人に自分が設計や製作をしたオーディオ機器の再生・披露を行う「自作機大試聴会」があり、昨年開催した「SKS Hi-Res Experiment #1」でもお世話になった、阿仁屋節雄さんが、自作スピーカーを出展するとのことで、STUDIO407が録音した音源提供という形でご協力させていただきました。

阿仁屋節雄さんのスピーカーは、これまで無いとてもユニークな発想で作られたもので、一言でいえば、スピーカーのコーン紙以外の振動を徹底的に排除し、音源ソースの波形を限りなく忠実に再現したいという思いから作られました。また、その忠実度を検証するため、S&K Audioさんの波形の類似性評価ソフトで、その差分を定量的に把握し設計に反映していくという、高度な取り組みをされています。かなり技術的に専門的になりますので、ご興味ある方は、阿仁屋さん、S&K AudioさんのFace Bookページを覗いてみてください。

試聴会の方は、一人持ち時間20分程度で、課題曲1曲とお好みの音楽ソースを再生するという形で、開場を埋め尽くした耳の肥えた来場者を前に、かなり緊張しました。STUDIO 407の録音した音源はピアノ曲だったのですが、私からは、録音した時のコンディション(スタジオ、ピアノ、マイクロホン、フォーマット等)について簡単に説明し、そして、この日に駆けつけて頂いた演奏者の中川 瑞葉さんから、曲と演奏方法の解説がされ、音源を再生しました。



曲はジョージ・クラム作曲の現代曲で、ペダルと内部奏法を用いた印象的な曲。弱音から突然現れる激しくピークの立つ音や、ペダリングによって生じる幻想的な残響、地を這うような低音から繊細ながらも鮮烈に飛び散るような高域倍音、マレットでピアノのフレームを叩く音など、オーディオ的に聞きどころが満載で、かつ再生にとってシビアなソースと言えます。

音源再生は終わると、会場から自然と拍手が沸き起こり、予想外の出来事でとてもビックリしました。阿仁屋さんのスピーカーとS&K Audioさんの優秀さが拍手で表現されたのだと思います。イベント後に阿仁屋さんからお伺いしたところ、中川さんの演奏と録音についても好評だったとのことで、私としてもとても嬉しく思います。



それにしても、普通のオーディオフェアとはかなり趣が違い、異様な熱気とディープな展示内容にビックリしました。こういう世界があるんだなぁと新鮮な驚きでした。シニア・パワー恐るべしです。

考えてみれば、この世代は若い頃にオーディオの黄金期を過ごしてきた世代。こだわりが半端ない。いつまでも夢を追い求める少年のような目をした方が大勢いらっしゃいました。機会があれば、来年も参加させていただきたいと思います。


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