愛音さん(9歳) 初ピアノリサイタル 横浜市旭区文化センター サンハート・音楽ホール
- STUDIO 407 酒井崇裕
- 7月8日
- 読了時間: 3分
7月5日、横浜市旭区文化センター サンハート・音楽ホールにて、愛音さん(9歳)の初めてのピアノリサイタルを収録しました。彼女にとって記念すべき初舞台。会場には多くの観客が見守るなか、純粋でみずみずしいピアノの音色がホールを満たしました。
愛音さんは3歳半から、横浜のリシュモア音楽院にて長島達也先生のもとで研鑽を積んできました。これまで海外の国際コンクールを中心に、数々の最優秀賞に輝いてきた、将来が大いに期待される若きピアニストです。

【Profile】
愛音(あいね)
2015年12月生まれ。3歳半より、リシュモア音楽院にて長島達也氏に師事。
・ドビュッシー国際音楽コンクール(イギリス):最優秀プラチナム賞、最優秀ドビュッシー演奏特別賞
・ゴールド国際クラシック音楽コンクール(オランダ):第1位
・イギリス国際音楽コンクール:第1位、卓越した技巧に贈られる特別賞
・第46回 全日本ジュニアクラシック音楽コンクール:第3位
・第30回 KOBE国際音楽コンクール 小学生の部:優秀賞、神戸市民文化振興財団賞
その他、国内外の数多くのコンクールで1位および上位入賞
2025年7月、ユネスコ音楽会(芸術監督:ヤンネ・メルタネン)が公式協力する「丹波の國ショパンフェスティバル」にてピアノソロ出演予定。9月にはチェコ・プラハとピルゼン州にて、川村よしみ氏やチェコ・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーが出演するコンサートにてソロ演奏が決まっている。
趣味は工作、園芸、野菜作り
初めてのリサイタルということで、緊張しているかと思いきや、堂々とした演奏ぶり。むしろ、見守る大人たちの方がハラハラしていた様子が微笑ましく映りました。
プログラムは、ドビュッシーから始まり、モーツァルト、ショパン、マクダウェル、ケリング、グリーグ、シューベルトと続き、アンコールではメンデルスゾーンを披露。充実した構成で聴衆を魅了しました。

リサイタル全体を通して改めて感じたのは、愛音さんの「耳の良さ」。この年齢では、体格や手の大きさ、譜読みの負担などから、音楽性よりも身体的な運動に意識が向きがちです。しかし彼女は、自ら奏でる音にしっかりと耳を傾け、音楽の響きを的確に描いていました。
ピアノという楽器は、演奏環境によってその響きが大きく変わる楽器です。とりわけ、今回のような残響豊かなホールでは、音が空間にどう響いていくかを繊細に聴き取りながら演奏をコントロールする力が求められます。愛音さんがすでにその感性を身につけていることは、リシュモア音楽院の先生方のご指導の賜物だと感じました。

長島先生のご挨拶では、愛音さんとの出会いや、音楽院が大切にしている「音楽を愛する心」について語られており、その理念がこの日の演奏にも深く反映されていたように思います。
愛音さんは、この夏にはヤンネ・メルタネン氏が芸術監督を務める音楽祭でのソロ出演、秋にはチェコ・フィルのメンバーと共演する公演も控えており、ますます多忙な日々が続きそうです。今後のさらなる飛躍が楽しみです。
リサイタルから2曲、演奏をご紹介します。
グリーグ:夜想曲 Op.54-4
メンデルスゾーン:無言歌 Op.67-4 「紡ぎ歌」
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