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玉川大学・玉川学園 CDアルバム・ピアノレコーディング 「にと まいこ」さん

  • 執筆者の写真: STUDIO 407 酒井崇裕
    STUDIO 407 酒井崇裕
  • 2018年5月28日
  • 読了時間: 3分

更新日:2月13日


5月22日から23日にかけて玉川大学・玉川学園UCH(University Concert Hall 2016)のホール(marble)でピアノ作品のレコーディングをしてきました。ピアニストは、「にと まいこ」さんで本作品がセカンド・アルバムとなります。レコーディングに入る前の打ち合わせで、この作品にかける思いや願いなどお聞きして、サウンドイメージを膨らませてきましたが、その世界観を描くような素敵な演奏で、とても心地よい収録となりました。編集もほぼ終了し、アルバムの最終工程に移行し安堵しています。

収録場所の玉川学園UCHは、2016年に改修工事を経て完成した学園内にある音楽ホールで、この建物の中には、レッスンルームも数多く整備され、玉川学園の音楽教育の中核をなす施設です。音楽系の施設を集約し、理想の音楽教育の場とすること、また、理想的な音楽環境を備えた設計を施し、人間性と感性を育む場として機能することを願って改修されました。設計は久米設計で、随所に音響的な工夫が施されています。


玉川学園

キャパは500名で、ホール後方の背面は全面ディフューザー構造となっています。不快な音の跳ね返りがなく楽器のニュアンスを損なうことがない残響が特徴です。今回の作品を収録するのに理想的な場だったと思います。


玉川学園でのピアノレコーディング


玉川学園でのピアノレコーディング

レコーディングは、収録当日はもちろん大切なのですが、その前の事前準備こそが成功に導く鍵となります。今回の収録場所の選定は、にとさん自ら行いました。数多くの演奏活動の中で培った人間関係や、演奏場所の情報なくしては、この収録地に辿りつくことはなかったと思います。そういった事も含めて、にとさんの本作品にかける意気込みが伝わってきました。心地よい響きの中でレコーディングは終始和やかに進み、ちょっと名残惜しい感じで終了しました。

機材周りですが、今回、ちょっとしたグッズを導入してみました。PCの冷却ファンやハードディスクの動作音を遮蔽する静粛PCブースです。通常はヴォーカル録りに使用するものですが、サイズもピッタリ。

ホール録音は、控室をモニタールームとし、機材設営は別室にすることが一般的ですが、私は、演奏者と同じ空間を共有してレコーディングすることを好みます。演奏者と同じ空気を吸いながらアイコンタクトを取りながら、たわいもないおしゃべりをしつつレコーディングをしていきます。別室からトークバック越しにコミュニケーションするよりスムーズですし、何より、同じ場所に聴いている人間が存在しているということが良い演奏に繋がるように思います。ディレクターやエンジニアも、演奏者のちょっとした表情やしぐさから、演奏者が今どういった心境なのかを敏感に感じることができますし、生音を浴びながらの収録ですから、より音楽的な収録を狙えると思います。もちろん、マイクが立っていますから、演奏中はじっと息を殺して耳を傾けることになりますが、そのことが良い緊張感を生み出し、結果として時間的に効率よく作業が進められます。

そういったスタイルなので、些細な音でも静粛にしたいと思い、今回のPCブースを導入してみました。事前に測定していたのですが、約6dBほど遮蔽効果があります。使用しているマイクはとても鋭敏でほんの小さな音でも拾ってしまいますが、ヘッドフォンンモニターで確認してもとても静かで効果がありました。


玉川学園でのピアノレコーディング

収録した音源は7月初旬にCDアルバムとしてリリースされるとのことです。そのタイミングに合わせて、イベントや演奏会も盛りだくさんに予定されているそうですから、にとさんのホームページやFaceBookをチェックしてみてください。


玉川学園でのピアノレコーディング

 
 
 

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