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相模湖交流センター・CDピアノレコーディング 佐々木世寿さん

  • 執筆者の写真: STUDIO 407 酒井崇裕
    STUDIO 407 酒井崇裕
  • 2017年11月8日
  • 読了時間: 4分

更新日:2月13日


11月5日に相模湖交流センターでピアノ作品のレコーディングをしてきました。前週は台風22号で大荒れでしたが、この日はすっきりと快晴の秋晴れ。相模湖も観光客で賑わっていました。


相模湖交流センター

相模湖交流センター

ピアニストの佐々木さんは、山形大学卒業後、チェコ共和国・プラハ音楽院に2年間留学し、帰国後、桐朋学園大学院大学音楽研究科ピアノ専攻(修士課程)を修了。チェコの作曲家のピアノ作品を演奏することをライフワークとし、その知られざる魅力を広めるべく演奏活動を行っています。

受賞歴は、全日本芸術コンクール(音大・一般の部)関東本選第1位受賞。伊・サンバルトロメオ国際音楽コンクールピアノ部門第Ⅵカテゴリー第2位(1位なし)受賞。 同・パドヴァ国際音楽コンクールピアノ部門第1位受賞など。

近年は、2014年に東京・松尾ホールにて(全日本芸術協会主催)「佐々木世寿ピアノリサイタル」、同年・赤坂べヒシュタインサロンにて全てチェコの作品のみで構成された「佐々木世寿ピアノリサイタル~チェコのピアノ音楽」を開催。2015年には東京・新宿オペラシティでの「カロローザ」定期演奏会にてベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第4番(室内楽版)を演奏。また2016年10月には仙台・パトナホールにてスメタナのピアノ作品による「佐々木世寿ピアノリサイタル~Nostalgia」を開催するなど、精力的な活動をされています。


ピアノレコーディング 佐々木世寿さん

相模湖交流センターは相模湖のほとりにあり、クラシックのレコーディングでは頻繁に使われるホールです。使い勝手と響きの質がよく、アコースティックのレコーディングには適度な大きさの空間で、温度・湿度の変化も安定しています。都会の喧騒を離れ、美しい自然環境の中でレコーディングに臨めるのは演奏者にとっても精神的に好条件となり、じっくり作品づくりに取り組めると思います。

今回はオール・スメタナのプログラムでのレコーディング。ご依頼を頂いてから佐々木さんがどんなサウンドイメージをお持ちなのかを聞きながら、レコーディング・プランを練っていきました。リハーサルで夏に相模湖にいらっしゃった折には、実際にお会いして、お人柄に触れ、作品にかける思いなど伺いながら具体的なセッティングを構想していきました。ピアノはベーゼンドルファーをご希望されており、調律はB-tech Japanさんをご指名されました。

相模湖交流センターのホールは昇降式の舞台となっており、客席フロアーと同じ高さまで下げることができます。また、可動式の客席もすべてホール後方の壁面に収納できるため、フラットな空間が実現され、残響の点で有利となります。響きの加減も可動椅子をピアノの周囲に配置したり、ピアノの位置を自由に移動することによってアコースティック・コンディションをコントロールすることができます。


相模湖交流センター

佐々木さんは臨場感と上質な残響をご希望されていたため、レコーディングに入る前に、どのようなピアノ配置がよいかを検討しながら当日を迎えました。

ピアノは客席フロアーに移動して配置することに決定。舞台上にピアノを配置するよりは、客席フロアーの方が強度があるため、低域の過度な膨らみを抑えることができます。また、ピアノは背後の反響板と並行にするのではなく、ほんの少し角度をつけた方が、フラッター的な反射が散って、残響の粒度が細かくなる傾向にあります。ピアノ配置のよいポイントを探りながらモニターの音を聞きながらマイクの位置を調整していきました。


相模湖交流センター

ベーゼンドルファーは、サブフレーム(支柱枠)とケース(アウターリム)、サブフレームと響板、これらが一体となるように同じ木材で構成され、一つの共鳴体を形成するような設計思想で造られています。ですので、マイクもこの特徴を十分捉えるような位置にセッティングしていきました。


相模湖交流センターのベーゼンドルファー

レコーディングした音源は、マスタリングも終了し、プレスマスターとして完成しました。「夢〜スメタナピアノ作品集」と題してして近日リリースされるとのことです。

リリース・インフォメーションや佐々木さんの最新情報はこちらでご覧いただけます。

 
 
 

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