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執筆者の写真Takahiro Sakai

吹奏楽コンクールの収録(秦野市文化会館)

更新日:2021年8月21日


7月23~25日の3日間に渡って、吹奏楽コンクールの収録をしてきました。この時期は各地で予選が行われる吹奏楽シーズンで、私が担当したのは、西湘地区予選。秦野市文化会館に集った72団体が熱戦を繰り広げました。秦野市文化会館大ホールは、キャパ1445人ですが、当日は、大ホールでも収容できないため、小ホール(キャパ498人)の大スクリーンで映像と音声を流して進行するという盛況の中で開催されました。この日の為に練習してきた成果発表の場でもあり、演奏する方も観る方も、ただならぬ緊張感に包まれ、表彰式には歓声あり涙ありの青春の一コマを感じることができました。

今回の収録はDVD用で、ビデオクルーの皆さんとの共同作業となりました。大会運営用の音声提供、ビデオ用音声の収録、当日の演奏終了後に各団体へ収録CD-Rをお渡しするという、ちょっと慌ただしい作業で、トラブル対応のバックアップ体制も必要となるため、気が抜けない収録でした。今回はそんな舞台裏について少し書いてみようと思います。



まず、大まかに音声担当の役割は3つあります。

・大会運営の為の音声提供(会場内で流す音声および小ホールでの鑑賞用音声)

・ビデオ収録用音声の提供と録音

・演奏終了後に団体にお渡しするCD-Rの作成

この3つの役割プラス、トラブル時への対応としてバックアップの備えを組み入れ、システムを構築します。音声収録のフォーマットも各々違います。ビデオ用の音声は、後で編集がし易いようにピークを抑えたリミッティング処理を施す一方、音声録音はプロセス処理なしのハイレゾフォーマットで記録し、また、団体へお渡しするCD-R用にCDフォーマットでの記録を同時並行で行います。バックアップも違うフォーマットで記録しておきます。

長時間収録の場合は特になのですが、回線の途切れや、PCのフリーズ、マイク回線のノイズ混入等、突発的なトラブルに見舞われがちです。複数の作業を同時並行で行う今回のようなケースはこうしたトラブルが起こった時のバックアップ体制を準備しておくことが何より重要となってきます。少なくとも、どこかの回線がダメになっても、違う回線が生きて音声が途切れることがないように構成を考えておかなくてはなりません。各団体のインターバルは3分程度しかありませんので、CD-Rを焼く手順もシンプルかつ素早くできるようにしておく必要があります。録りながら焼きながらの作業となるので、PCの負荷も分散しておきます。

初日の設営に割ける時間は1時間もないので、速攻で準備ができるよう、必要なケーブルの長さや機材設置レイアウト、接続の手順も詳細に決めて図式化しておきます。


今回は、前任のエンジニアさんから、事前情報を頂くことができたので、だいぶ助かりました、各団体の演奏する音圧のレベル差が激しく、また、パーカッション系は和太鼓やピークの立つものが出てくること、ホール入力受けまでの物理的な距離など、マイクレベルやリミッターの設定、準備するケーブルなど、速攻で設営するためにはこうした情報が欠かせません。

言うまでもなくリハーサルなどないですから、1曲目から歪み事故がないようマイクレベルが適正範囲になっている必要があり、楽曲の把握と曲調を知っておくことも大切です。経験値である程度予測して設定するのですが、やはり、ど頭の曲ではとても緊張します。収録する方も熱い3日間でしたが、事故なく無事終了となりました。


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