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甲府市総合市民会館・芸術ホールでのレコーディング

執筆者の写真: STUDIO 407 酒井崇裕STUDIO 407 酒井崇裕

更新日:2月13日


12月8日に、甲府市総合市民会館・芸術ホールで「室内楽コンサート・ピアノトリオの夕べ」の録音をしてきました。今年で4回目となるこの催しは、甲府市で音楽教室を主宰されている高田圭さんと、高田さんと出会って15年の友人である小野惠子さんが企画し開催されました。甲府盆地は寒暖の差が激しい所ですが、この日は師走にも関わらず、爽やかに晴れ渡って温かく感じるくらいのお天気で、会場に溢れる音楽も優しい音色で素敵な時間となりました。

会場はキャパが500名のホールで、癖も少ない響きのよい場所でした。ステージ後方の設置された反響版の造りが立派で、その効果も大きいように感じました。この日の録音の方針は、天吊りのステレオペアでのワンポイントを基本に、ステージ上のオンマイクを補助的に配したシンプルセッティング。こうしたセッティングは、自然な楽器の響きと豊かなステレオ感が得られる一方、演奏されるバランスがそのまま再現されるので、アコースティックバランスを慎重に取る必要があります。特にホールの場合、ピアノは打楽器としての特徴が顕著に出る傾向があり、音の立ち上がりに伴って、残響の調整が難しくなります。響き過ぎてピアノが埋もれて聞こえてしまったりする場合があるため、リハーサルでピアノの設置位置をセンチメートル単位で動かしながら、心地よい響きになるよう調整します。

また、人間の耳で聞こえる音と、マイクを通して聞く音は印象がかなり違うため、調整室から天吊りマイクの位置を操作し、音を聞きながら耳で聞いた印象に近づけるようにポジションを探ります。演奏者にとっては、ステージ上でお互いに演奏しやすいバランスというものがありますが、このバランスと聴衆が心地よく聞けるバランスというのはかなり違うため、演奏者にとっても技量が試されるマイクセッティングと言えると思います。

それから、客席に聴衆がいないリハーサルでは、本番のお客さんが入った響きとは異なるため、本番でどのように響きが変わるかを加味しながらセッティングすることも大切です。特に冬場のコートやダウンなどの衣服は吸音材と同じ効果を持ちますので、残響と周波数特性に大きく影響します。

この日のプログラムは以下の通りでした。大曲へのチャレンジだったと思いますが、立派な演奏で感じ入りました。

フォーレ / アンダンテ 変ロ長調 op.75

アレンスキー / ピアノ三重奏曲 第一番 op.32

サン=サーンス / 白鳥

サン=サーンス / ピアノ三重奏曲 第二番 op.92

~アンコール~

ピアソラ / アベマリア

アナと雪の女王より / Let it go

以下、サンプル音源です。

ピアノ三重奏曲 第一番 op.32 / アントン・アレンスキー

アベマリア / アストル・ピアソラ


甲府市総合市民会館

 
 
 

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