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  • 執筆者の写真Takahiro Sakai

Duo Frenzy 収録 古賀政男音楽博物館 けやきホール

7月30日にヴィオラとピアノのデュオ「DUO FRENZY」のコンサートを収録してきました。田端誠治さん(ヴィオラ)、佐藤瑞恵さん(ピアノ)によるこのデュオは、結成10周年を迎え、今回はそれを記念する演奏会となりました。9年前となる2014年、ルーテル市ヶ谷ホールで開催された東日本大震災チャリティ・コンサートでも収録させて頂いたのですが、私にとっても思い出深いお二人で、リハーサルの音を聴きながら、当時の響きが思い出され、とても嬉しく思いました。



演目は、バロックからロマン派を経て近代へと流れるプログラムで、ヴィオラの深く哀愁を帯びた響きが全体を貫く軸となってコンサートを構成していました。


元来、ヴィオラは弓でこすって音を出す楽器の総称だったそうで、J.S.バッハは好んで室内楽や管弦楽の中で用いたそうです。プログラム第1曲の「J.S.バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ 第1番 ト長調 BWV1027」はヴィオラ・ダ・ガンバ(脚で挟んで弾くヴィオラ)のために書かれた曲ですが、当日はヴィオラ・ダ・ブラッチョ(腕のヴィオラ)で演奏されました。田端さんのトークによる解説も挟みながら、ヴィオラという楽器の魅力が伝わってきました。

煌びやかな音色のするヴァイオリンのために作曲された曲は数多くありますが、こうして、ヴィオラに耳を傾けると、豊かな抒情性に満ちた深い響きの音色を持っており、この楽器の持つ魅力を再発見する思いがします。モーツァルトもヴィオラを好んで弾いていたことが知られています。

前半の優雅でロマンティックな世界とは打って変わって、後半は、近代イギリスの作曲家、フランク・ブリッジとアーノルドE.T.バックスの作品が演奏されました。こちらは、穏やかな世界と同時に、危うさや突き刺すような激情を表現するようなヴィオラの違った側面が強調され、また、ドラマチックに展開する目眩くピアノが、作曲者の心象風景を描く作品でした。張り詰めた緊張感が曲全体を覆い、演奏のテクニカルな面でも難曲ですが、お二人の演奏は、途切れることのない情熱が感じられる素晴らしい内容でした。




実のところ、この10周年を記念するコンサートに至るまでに、不測の事態により、何度も、中止・延期をせざるを得ない憂き目に遭ってきた二人ですが、終演後の晴れやかな笑顔を見ながら、継続することの大切さ、困難にめげない逞しさを感じる思いでした。お二人に拍手を送りたいと思います。

この10周年記念コンサートを、ひとつの区切りとし、更なる飛躍を願っています。


収録より、一部をご紹介します。

ヴィオラとピアノのためのソナタ / A.E.T.バックス 第2楽章



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