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執筆者の写真Takahiro Sakai

マンドリンオーケストラの録音

更新日:2021年8月21日


年明け初の録音は、都内の私立十文字中学高等学校マンドリン部の録音でした。毎年、全国大会で上位入賞する強豪校。創部してから長い歴史と伝統を受け継いできたマンドリン部です。昨年に引き続き、今年もご依頼いただき、学校の講堂へ向かいました。

このオーケストラは、様々なマンドリン属の楽器を中核に据え、クラッシックギター、コントラバス、フルートなどで編成されており、総勢40名程度。全体として奏でられるアンサンブルはマンドリンの繊細な響きを楽しめるだけでなく、曲の盛り上がる部分では壮大な迫力があり、独特の魅力があります。殊に、トレモロが奏でる切ない旋律は、マンドリンならではの響きと言えます。

朝早く講堂につくと、生徒さんが練習に励んでいて、録音に臨む気迫に満ちています。気になるパートを繰り返しおさらいしながら、指揮者が指示を飛ばします。さすがに強豪校だけあって、レベルの高い演奏が講堂に響きます。録音するということもあってか、演奏内容のみならず、全体の響き方もチェックしているようで、遠くの二階席から意見を言う生徒さんもいました。音に対するこだわりも伝統として引き継いでいると感じる場面でした。

生徒さんが練習している間に録音機材とマイクをセッティングしていきます。学校の講堂は音楽ホールのような精度の高い音響特性は望めませんが、マイクセッティングに自由度があり、工夫次第で豊かで音楽的な録音が可能です。昨年の録音で、この講堂の響きは把握しており、ある程度の見当をつけた後、実際のマイクを通した音を聞きながら微調整を施します。マンドリンの繊細な響き、弱音時のピッキングのニュアンスを捉えつつも、オケ全体が豊かに響くベストポジションを探ります。今回はオケ全体を狙うステレオペアと、講堂全体の響きを捉えるもう一組のステレオペアのマイクをセッティングしました。数テイクの録音後、無事OKテイクを収録。よい演奏を収録することができました。今後の十文字中学高等学校マンドリン部の活躍が楽しみです。

マンドリンオーケストラに馴染みがない方も多いかと思いますが、その魅力に触れてみてはいかがでしょう。



演奏に熱が入ります


講堂の響きを捉えます

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