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足踏式竪型自動ピアノの演奏収録

  • 執筆者の写真: STUDIO 407 酒井崇裕
    STUDIO 407 酒井崇裕
  • 2016年11月14日
  • 読了時間: 2分

更新日:2月13日


今夏にご依頼を頂いた「足踏式竪型自動ピアノ」の収録の様子が、学習院公式ブログに掲載されました。

この足踏式竪型自動ピアノは、大正期に日本楽器製造株式会社(現ヤマハ株式会社)によって製造され、貞明皇后(大正天皇皇后)に献上されたという由緒あるものです。今上天皇が皇太子であった昭和26(1951)年、学習院高等科3年に進級し、当時新築の目白「清明寮」にご入寮された際に、母君の香淳皇后(昭和天皇皇后)が「皇太子殿下の寮生活の徒然の慰めに」と清明寮にお下げ渡しになったと伝えられています。

戦後、物置 きのように使われていた一室から、ずいぶん傷んで発見されたそうですが、大変珍しい楽器なので、なんとか復元できないか、関係各位の努力がなされ、昭和 58(1983)年に復元が完了されたとのことです。

現在は学習院アーカイブズによって管理されており、学習院大学目白キャンパス内にある目白倶楽部に設置されています。

修復されたとはいえ、気候や空気の乾燥により、やがて音を 聞くことができなくなる危険性が高く、まずはその音と、その音を奏でる姿をしっかり記録したいとの御意向で、STUDIO 407に収録のご依頼がありました。

歴史的な価値が高い音と映像の記録ということで、「足踏式竪型自動ピアノ」のありのままを伝えるよう、シンプル収録スタイルとし、自動ピアノの機構と仕組みが伝わるようなアングルで多数のシーンを収録しました。大きくは、足踏み演奏、自動演奏、電動アシストによる足踏み演奏と3種類のモードを備えているピアノなのですが、各演奏モードに合わせて、入念な選曲もなされていました。パンチカードのように穴の開いたロール紙に記録された自動演奏の曲も珍しいもので、大正ロマンの雰囲気が漂う響きが、室内に溢れました。

音は現代のアップライトピアノとは違い、重厚で独特の艶があり、グランドピアノとも違うスケールの大きな響きが特徴。ここまでの音になるよう修復をされた関係者各位の努力に敬服いたしました。

収録した音と映像は、DVDとBlu-rayディスクにして、納品させていただきました。学習院の図書館はじめ、学院のアーカイブとして保存されていくそうです。こうした興味深いお仕事をさせていただき、ありがたく思いました。

収録した中のほんの一部ですが、お聴きください。当時の様子が思い浮かぶでしょうか?



 
 
 

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