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  • Takahiro Sakai

ピアノ教室は「志」なんですね。


先日、あるピアノ教室(個人)の先生と話し込んでしまって、ピアノ教室を運営するのは想像以上に大変なことなんだなぁと。私も娘を近所のピアノ教室に通わせていた時期があったのですが、そのときは、先生のご苦労などまったく分からず、今、思い返せば、なるほどと感得するところがありました。今回はそんなことを書こうと思います。

話は、年に数回開催されるピアノ発表会の録音についてだったのですが、費用面で厳しいという事が発端となりました。「いいのは分かっているんですけどねぇ。。」とおっしゃる先生は、音楽家として良い音楽を追求したいという顔と、ピアノ教室を運営していく経営者としての顔が入り混じって複雑な表情を浮かべているように見えました。発表会は、会場費用、お花代、記念品代、プログラム代、写真代、ビデオ撮影費用など、思いのほか費用がかかります。また、見えない費用、つまり先生ご自身の人件費部分である企画の立案、選曲、生徒さんのフォローなど、時間と労力も大変なものと想像します。そんな状況ですから、どうしても費用のやりくりが大変となってくる。発表会は生徒さんの練習成果を披露する一大イベントですから、最大限よい発表会にしたい、けれど、そのためにお月謝に加えて発表会にかかるお金を集めるのには限度がある。もちろん、赤字になってはまずいですから、発表会の「価値軸」を明確にして可能な限り費用を抑えた企画にする必要があるということが理解できました。

そんな事を考えながら、帰りの電車に乗っていましたら、奇遇にも隣に座った二人のご婦人が、何やらピアノ教室のお話をしているのを耳にして。大よそこんな会話でした。

「今年の〇〇先生の発表会は生徒さんの人数がめっきり減ってしまって、記念写真も寂しい感じだったわ」

「そうそう、お子さんが大きくなって辞める人が多かったみたいよ」

「数年前はいっぱい生徒さんがいて賑やかだったのにね~」

「少子高齢化でピアノを習うお子さんも減っているのかも知れないですねぇ」

「大きくなると、辞めちゃうしね」

「来年はどうなるのかしら・・」

そんな会話を聞きながら、「そうか、ある程度の規模の発表会を開催できるピアノ教室はまだ恵まれている方なのだ。」と、ピアノ教室を運営する大変さを再度認識したような思いがしました。

それで、浅薄ながら調べてみたところ、ピアノ教室を運営するための情報がいっぱい出てくるのでびっくり。ピアノ教室運営のノウハウを説くコンサルタントがいらっしゃったり、ピアノ教室専門のホームページ制作を請け負うところもある。早速、ピアノ教室運営について書かれた本を数冊買って熟読。

そうした情報を見るにつけ、成功しているピアノ教室の先生のご努力は並大抵のものではないなと。私なりに解釈すると、個人でピアノ教室を営む先生は、ピアノ演奏の指導者というだけでなく、教育者として、また、経営者として、ありとあらゆることをマルチでこなしている方々なんだと。女性の先生が多いですから、家庭における女性の役割もあるでしょう。そこには先生が培ってきた音楽的なもの以外に多くのことが必要になってきて、これは大変だなぁと。

教室を運営していくには、マーケティングや顧客心理の理解、インターネット戦略、広告宣伝、コピーライティング、ブランド構築、ホスピタリティの充実、価格戦略などなど、チラシや教室の看板制作から始まって、口コミやクレーム処理、ブログや動画での情報発信、経理や税務申告等の数字周りの作業など、全てのことをこなしながら教育者としての活動をしてくことが求められる。加えて、たくさん存在するピアノ教室や大手音楽教室と競争しながら、生徒さんに選ばれる教室を築いていかなければならないプレッシャーもある。言ってしまえば個人事業なのですから、当たり前なのかも知れませんが、毎日、ブログを更新したり、セミナーの案内をしたりしているパワフルな先生の活動を見るにつけ、頭が下がる思いがします。

そこで、思うのは、苦労も多く競争も激しいピアノ教室の世界で、何がピアノ教室の先生を駆り立てるのかと。単に利益ではないことは確か。利益だけを目指すのであればもっと効率的な仕事を選択するのだろうと思います。

生徒さんの成長の様子を嬉しそうに伝えるブログなどを拝見する時、それはきっと「志」なんじゃないかなぁと。企業で言えば経営理念みたいなもの。教室によって目指すものは様々だと思いますが、教室の存在意義というか、提供する価値みたいなものが教室を支えているのだろうと感じます。

そうした先生と生徒さんの努力の成果を発表する場であるピアノ発表会。私も気を絞めて取り組もうと思います。

ピアノ教室の実像を詳しく知らないで勝手なことを書き殴りましたが、もしピアノ教室の先生がご覧いただいたなら、ご意見やご教授いただければ幸いです。

#ピアノ教室

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