top of page
検索
執筆者の写真Takahiro Sakai

生楽器はやっぱり良いですね! One Day Festival

更新日:2021年8月21日


7月12日(土)、私のレコード会社時代の師匠のお手伝いで、One Day Festivalのライブ収録に行ってきました。この One Day Festival なのですが、ソウル在住の音楽家パク-チャンス氏の呼びかけの下、2014年7月12日に韓国・中国・日本三カ国各都市で150公演(出演アーティスト計94組)が同時開催するという壮大なプロジェクト。コンセプトは、三カ国の観客すべてが同じ日、同じ時刻に特別な経験を共有し、相互に演奏者を交換しながら理解を深め、韓国・中国・日本の新たな文化交流のありようを模索していくというもの。我々はその一公演という位置づけでした。

One Day Festival 2014 in Tokyo

出演者は

原田依之 ピアノ

杵屋三七郎 歌・三味線

ノルムマチ

金株弘 チャング・ケンガリ・ジン・唄

李鎬沅 チャング・ケンガリ・ジン・コーラス

吳玹朱 チャング・ケンガリ・ジン・テピョンソ・コーラス

張理香 カヤグム

郭宰赫 ピリ・テピョンソ

趙寿玉 舞踊

日韓のアーティストが共演するとても興味深い内容でした。特に、日頃、耳にしたこのとのない韓国の楽器が響きを体験できたのは貴重な体験でした。恥ずかしながら、楽器の名前すら知らず、いったいどんな音が出てくるのかドキドキでした。簡単に楽器の紹介です

・チャング:両面太鼓で、左右の皮は音が異なり、左側は先端が丸いものがついているクングルチェという桴を使うか、平手で叩く。右側は竹でできた桴のヨルチェをしならせながら叩く。

・ケンガリ:韓国の金属製打楽器。小型のドラ

・ジン:金属製の打楽器です。品質のよい黄銅で作られており、農楽に使われるジンの直径は平均37~38cm前後、宮中音楽に使われるものはそれよりも少し大きく、巫俗音楽には少し小さいものが使われます。

・テピョンソ:管楽器。ちゃるめらを想像するとイメージしやすい。見かけよりとても大きな音が出る。

・カグヤム:韓国を代表する12弦の琴、カヤグム(伽倻琴) 正倉院に新羅琴として伝存していることで よく知られている。

・ピリ:ダブルリードの縦笛。ピリは、長い歴史の中でも原型を保つ数少ない楽器の一つ。

画像で音のイメージをお伝えするのは限界がありますが、一言で言って、賑やか!といっても、お祭り騒ぎという感じではなく、伝統に裏打ちされた品の良さみたいなものが漂ってくるアンサンブルでした。

打楽器が高揚感を高めていくのですが、韓国琴(カヤグム)と節のある唄回しが、ゆったりとした歴史の時間の流れを感じさせてくれる。構成としては、打楽器、弦楽器、管楽器そして声というアンサンブルなのですが、これまで聞いたことがないような音楽体験でした。韓国の伝統的アンサンブルに加え、フリージャズ・スタイルの原田依之氏のピアノが絡んでいくコラボの曲は、もう何だか異次元空間。曲もインプロビゼーションで演奏され、現代音楽にも通じるようなアートな世界観で全身からアドレナリンが噴出といった感じでした。

そして忘れてならないのは、杵屋三七郎氏の三味線と歌。民族的な血の情熱を感じさせてくれる韓国勢とは対照的に、芭蕉の句のような日本的な静寂な時間が、ああ、やっぱり自分は日本人なんだなぁと感じさせてくれる好演でした。間の音楽と歌というか、無音の中に音楽が宿るといった印象を受けました。

文章で音楽体験を綴るのは、やはり伝えきれない空しさが残りますね。機会があったら是非、こういう音楽も聞いてみたら面白いと思います。

録音の方で感じたのは、やはりプレイヤーがうまいと、苦労がないということですね。未経験の楽器でどんな音が出てくるのか?といった状況でしたが、奏者が楽器をコントロールできているセッションは録音するのに苦労がありませんね。総じてダイナミックレンジも大きく帯域も広い音楽でしたが、あっさりと作業が進んだという印象でした。

閲覧数:9回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page