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  • Takahiro Sakai

一歩先行くミュージシャンの強い味方 -ヤマハ「即レコ」 ー


一歩先行くミュージシャンの強い味方 

-ヤマハ「即レコ」 ー

先日、ヤマハの「即レコ」をご担当されている方とお会いし、詳しいお話をお聞きしましたので、今回は、これについて書きたいと思います。横浜までご足労いただき「即レコ」について熱く語っていただきました。お話していると、音楽が本当に好きな人なんだなぁ、と伝わってきて、こちらもつい、いろいろディテールを聞きたくなって、長時間にわたって丁寧にお話いただきました。

1.「即レコ」のサービス ージャンルに応じて3種のサービス形態ー

まず、この「即レコ」のヤマハでの位置づけですが、新規事業の創出を目指したプロジェクトで、主にアマチュアの音楽愛好家をサポートする事を目的として、貸しスタジオ、ピアノスタジオ、学校の教育現場などに展開を図っています。本格的にサービスを開始したのは2011年の後半。ですので、「即レコ」は現在スタートアップの時期で、まさに、事業展開が進行中という段階にあります。サービス内容は音楽ジャンルに応じて3種あり、バンドを対象とした、「即レコ 24」、グランドピアノ用の「即レコPiano」、そして、新しく登場した「即レコAir」、となっています。さっそく、各々について見ていきましょう。

1-1.「即レコ 24」 

ーアマチュアバンドの練習や音源制作に強力な味方ー

これまで貸スタジオでバンド練習を録音するといった場合、スタジオ備付のワンマイクでの録音か、持ち込みのハンディレコーダーなどで録音するしかなく、音質は演奏内容がやっと分かるといった程度で我慢するしかなかったと思います。「即レコ 24」はこの状況を劇的に変えます。以下は、主な特徴です。

・高音質24chのマルチ・レコーディング (CDクオリティのデータ・フォーマット)

・事前のマイクセッティング・機材セッティング不要(手ぶらでスタジオ入りして直ぐ録音できる)

・超簡単操作で専門知識不要(分かりやすいiPadの操作画面で初めてでも超簡単)

・オーバーダビング(重ね録り)も指先ひとつで実行

・マルチ録音された音源は、即2MIXになって聴ける(簡易的なバランス・リバーブは調整可能)

・録音した音源データはクラウド上の専用スペースに保存され、即共有して聴ける

オプションサービスとして

・24chマルチWavデータをクラウドサーバからダウンロード購入可能。

・オーディオCD作成サービス

アマチュアバンドにとって、至れり尽くせりの内容。これは、活用しない手はないと思います(費用も安い!)。

1-2.演奏上達に効果あり。「即レコ」はバンド演奏養成ギブスか!?

演奏の上達にも効果ありだと思います。というのも、貸スタでハンディレコーダーなど録音すると音圧があるので、何となくそれ風に上手く聞こえたりする場合がありますが、「即レコ」だと、クリアに分離した音が高音質で聴けるため、演奏の良し悪しが露わになって、上達スピードが上がるのではないかと想像します。貸スタだといい感じにまとまっていたけど、ライブのライン録りを聞いたら思いのほか演奏が下手でがっかりしたなんて経験ありませんか?即レコで鍛えておけば演奏の実力アップも期待できそうです。

加えて、楽器構成が明確に分かるので曲構成やアレンジのアイディアも描きやすいということもあると思います。

1-3.音源制作にも大きな可能性。何といっても圧倒的に低コスト!

それから、可能性があると感じたのは、練習サポートツールとしてのみならず、デモテープや、自主制作のCDにも活用できるのではないかという点。何といっても、24chマルチ音源がCDクオリティで入手可能なのは大きなメリットだと思います。本気でスタジオ録音しようと思ったら、セッティングも大変ですし、何と言っても費用が気になる。「即レコ」を活用すれば、録音機材の心配からも解放され、いつものようにスタジオに入って即マルチ録音。しかも費用は貸しスタジオ代+アルファ程度で高品位なマルチ音源が入手できてしまうのですから。後は、ご自身のDAWに取り込んで納得いくまでMixすれば、かなりのクオリティに仕上げることが可能だと思います。

そうなると、気になってくるのは、「即レコ」で設置されているマイクや裏で動いているシステム(Cuebaseだそうです)の設定なのですが、マイクはYAMAHAさんが何度もテストして、ある一定のクオリティを確保できるマイクを基準にアレンジしているそうです。また、裏で動くCuebaseの入力設定も、バンド演奏を適性に捉えるよう標準的な設定がされていて、データ録りで支障が生じることはないと思われます。このあたりは、今のところ「即レコ」は練習サポートツールとしての位置づけが主になっているので、今後、普及が進めば、好みのマイクに変えたり、DAWの設定も細かく追い込みたいという需要が出てくることと思います。思入れが強い貸スタジオさんもあるそうなので、積極的なアレンジも相談できるかも知れません。

以上、「即レコ 24」の概要でしたが、YAMAHAさんのサイトから分かりやすい映像をどうぞ。

導入スタジオ一覧のページもご紹介しておきます。

ヤマハ「即レコ 24」 紹介ビデオ

ヤマハ「即レコ」使えるMAP

2.「即レコ Piano 」 -ピアニストに聞こえる音で演奏確認ができる―

次にご紹介するサービスは「即レコPiano」です。iPadを用いた分かり易い操作性と高音質である点は「即レコ 24」と同じですが、こちらは4ch仕様となっています。

特筆すべきは、ピアノに近接させてセッティングさせたステレオ・マイクと、ピアノ全体と部屋全体の響きを収音するようオフでセッティングされたステレオ・マイクのブレンドが簡単な操作で調整できるところです。この操作を行うためのユーザーインターフェイスも視覚的に分かり易く、2次元の平面を指でなぞり、お好みの音を直ぐに得られるよう工夫されています。平面の座標軸は、横軸に「ピアノマイク(ピアノに設置された近接マイク)」⇔ 「エアマイク(空間の響きを収録するマイク)」、縦軸に、「響きが少ない」 ⇔ 「響きが多い」となっており、オンマイクとオフマイクのブレンド具合と残響付加の割合を指一本で簡単に設定できるようになっています。

この設定の活用方法として、例えば個人練習などの場面で、演奏の細かいニュアンスやタッチの強弱など、曲演奏の仕上がり具合を確認したい時には、近接マイクを多めのブレンドにし、鮮明でダイレクトな録音を聞きながら演奏のブラッシュアップに役立てることができます。また、エアマイクを多くし、心地よい残響を付加していけば、まるでホールのステージで演奏したようなピアノの音を再現することができます。つまり、練習の確認用にも鑑賞用の録音としても使うことができ、ピアニストにとっては実用的かつ幅の広い使い方ができるというわけです。

日本公演のために来日されていたピアニスト パウル・バドゥラ=スコダ氏がベーゼンドルファー東京を訪問した際、「即レコPiano」を体験され、その音質に驚いていたとのことですので、そのクオリティは折り紙つきと言えるでしょう。セルフ録音の手軽さは、録音するといったプレッシャーもなく、ピアニストにとっては自分の演奏を何度でも納得が行くまで確認できるところも魅力だと思います。録音した音源は「即レコ24」と同様、クラウド上のユーザースペースにアップロードされますので、PCやスマホを通じて共有可能なので、先生をはじめ友人や家族など聴いてもらいたい人と簡単に共有できます。

スコダさんの演奏による即レコPianoの音源がYAMAHAさんのサイト聞けますのでご紹介しておきます。

スコダさんの演奏

「即レコ Piano」を導入しているピアノスタジオ一覧

3.「即レコAir」 

ー吹奏楽、合唱、ビッグバンドなどの音楽関係の部活動で急速浸透中ー

最後にご紹介するのは、「即レコAir」というサービスで、こちらはワンポイント・ステレオ録音のサービスです。チャンネル数は2chとシンプルな構成となっているため、部室や教室から公共ホールまで何処でも持ち運んで即レコーディングができます。もちろん、クラウド上のユーザーエリアへの保存もスムーズ。無線でデータをアップロードするので、野外はもちろんのこと、教室や体育館など、場所を選ばず高音質な録音が可能です。この機動力と柔軟性は大きな魅力だと思います。これに加え、部員全員に同一音源を即座に共有できるので、メディア配布の煩雑さや、パートごとに録音する場合に生じる音源が異なって演奏の統一感を得ることが大変といった問題を解決してくれます。また、音源に対する感想や指導などを音声で共有できる「ボイスコメント機能」を搭載しており、これを活用すれば、遠隔指導や、一斉に注意点やメッセージを発信できるなど、先生にとっては効率的な指導ができて大変助かると思います。

専用タブレットの画面表示をタッチするだけで録音再生ができる簡単操作。まさにラジカセ感覚で録音に気を取られることなく練習に集中することができます。

ヤマハさんは現在のところ学校向けを重点として「即レコAir」の展開を図っているというお話でしたが、学校のみならず、野外イベントや自然環境の収音など、利用できるシーンは多様だと感じました。何といっても、軽量機材でどこにでも出かけて行ける上、クラウド上に録音データの保存をして皆で共有するという一連のプロセスが即座に出来てしまうというのは強力です。マイクも自分で選ぶことが出来るので、状況に応じた録音を楽しむことができそうです。

即レコAirの紹介ページ

4.まとめ

以上、「即レコ」ファミリーについて、ご紹介してきましたが、共通して言えるのは、高音質、シンプル操作、クラウドによる利便性・拡張性という、三つの要素を高度に融合させたサービスだと言えると思います。現状の使い方もさることながら、今後の進化発展も大いに期待できそうです。即レコを活用したレコーディングに関しては、機会を捉えて実施しレポートしようと思います。

皆さんの即レコを既に体験なさっている方がいらっしゃったら、コメント頂けると嬉しいです。

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