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執筆者の写真Takahiro Sakai

録音業者の “売り” 類型 -成功するはじめての演奏会録音- ⑤

更新日:2021年8月21日


1.録音を依頼する 録音業者の “売り” 類型

前回は、録音をしてくれる業者の類型を出自から整理してみました。今回は違う切り口、どのような強み(その業者の売り)をアピールしているのかを整理してみたいと思います。これは、前回整理した出自の分類とも関連してきますが、皆さんが業者を選ぶとき、その業者が得意としていることを押さえておくことはコストパフォーマンスを考える上でも大切になってくると思います。また、皆さんが希望しているサービスや音のイメージがあったとして、その業者が運悪く得意ではなかった場合、結果の質もさることながら、ストレスがたまることにもなってしまします。前回ご紹介した類型と合わせて、その業者が何を得意としているのかを意識して見ることで、おおよそのカラーというか仕事ぶりがイメージできるのではないかと思います。ネット検索をしただけでも多くの “売り”文句が出てきますが、ざっと列挙してみます。

2.検索から出てくる ”宣伝文句”を眺めてみる

ここでは、生の演奏会の録音に関係するものをピックアップし、ポップス・ロック・バンド系に関係する売り文句は除き、表現は若干変えてあります。

低価格、任せて安心、高品質、高音質、小規模から大規模オケまで対応、ジャンル・形態・場所を一切問わず、レコーディング・エンジニアが録音、全国どこでも、ダビング・編集もおまかせ、ジャケットデザインからCD制作までトータルサポート、演奏会のチラシ・プログラム作成まで対応、写真撮影・映像作成、セットで割引価格、コンサートスタッフ派遣、演奏家派遣、演奏会のサポート(チケット・チラシ・PA、受付派遣)、臨場感たっぷりのCD制作、プロ・ミュージシャンによる録音、ハイレゾ対応、○○年の経験と実績、技術とノウハウ、どこよりも安い、格安・激安レコーディング、CD販売も可能、プロモーションビデオ制作、ピアノ調律とのセット割引、多チャンネル・マルチマイク対応、最新デジタル技術DSD録音、○○賞受賞、一流機材による録音、〇〇専門録音、音楽に精通したスタッフ・・・

想像していたより意外とバラエティに富んでいて興味深いです。録音が「技師」と言われていた一部の専門家の手によってなされていた時代から、デジタル技術の発展によって、誰でも手軽に録音ができてしまう時代になったとも言えるのでしょうね。ただ、その録音された内容は依頼先によって違ってくるように思います。

3.録音業者の強みは何かを整理してみる

売りの表現の列挙だけでも、その業者がどのような強みを持っているのか見当はつくのですが、これを大きく分類してみると。

実績・経験に基づく信頼性

高品質・高音質

利便性・トータルなサービス

しっかりした音楽的バックグラウンド

格安・低価格

専門ジャンルに特化

ジャンル問わず幅広く対応

先端技術を駆使

といったところでしょうか。

上記と、前回ご紹介した、業者の出自の分類を眺めてみると、それなりの相関関係が見て取れるので、その業者がどんなところなのかを判断する手がかりになると思います。

4.録音業者を選ぶのに迷ったら

いずれにしても、予算という制約がある中で皆さんが録音業者を選ぶ際、まず自分の中で、どんな希望を持っているのか振り返り、譲れないところ、妥協できるところを明確にしておくのがよいと思います。これを意識すれば、業者の売り文句に翻弄されて、こっちもあっちもと迷うことが少なくなると思います。

次回は、YAMAHAさんが導入を加速している、「即レコ」についての雑感を綴りたいと思います。

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