2月21日に森芸術劇場・ウィーンホールで、ピアノと声楽の収録をしてきました。演奏者は小金井音楽アカデミーの玉木豊先生です。即興演奏でピアノを弾きながら歌われるユニークなスタイルで、玉木先生のライフワークとして年2回程度の収録を継続しています。
自然や動植物など、毎回、さまざまなテーマを取り上げて即興演奏をしてきていますが、今回は主なテーマとなっている、リルケの詩の世界を音楽にして収録したいとのことでした。印象主義、象徴主義のドイツ語詩人として著名なリルケは、オーギュスト・ロダンとの交流を通じて、その芸術性に影響を受け、詩という言語表現を深化させたことで知られています。玉木さんはそうしたリルケの詩の世界を、ピアノと声によって即興で描いていく融合芸術の試みをされています。
収録の仕方もユニークで、演奏直前に詩集を読み、浮かんだイメージですぐさま演奏するというスタイルで、全曲いっきに即興演奏していかれます。このプログラムは映像作品として仕上げるため、カメラアングルも毎回工夫を重ねてきました。玉木さんからは顔を映して欲しくないとの強いご要望があるため、顔を映すことなく、演奏のダイナミズムを捉えられるアングルを探ってきました。今回はピアノの鍵盤を上部から狙うアングルを積極的に取り入れる絵作りを試みてみました。
ピアノは声と響きが一体になるように、大屋根を外し、ステージ中央に角度をつけて配置します。発せられるピアノと声が震源になってホール全体に伝搬し響きが溢れるようなイメージです。マイクは、ピアノ上部から音源を狙い、ホールとピアノ&声が混然一体となった響きを吊りマイクで捉えるセッティングとしました。
収録した素材動画はメニュー作成とデザインを施し、Blu-rayディスクに仕上げます。
収録した中から2曲、ご紹介します。
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