7月9日に村上真希子さんのピアノリサイタルを収録してきました。村上さんにとってソロ・リサイタルは初とのことで、寄せられたリクエスト曲とご自身が大好きな曲を織り交ぜ、ウィーンホールのベーゼンドルファーの響きが会場を満たしました。
「Soli Deo Gloria」・・天に昇る音・・と題されたこのリサイタルは、村上さんが小学生の頃から大好きだったバッハに思いを寄せ、バッハが自筆譜に必ず記した「S.D.G.(Soli Deo Gloria:ただ神にのみ栄光)」からタイトルにしたそうです。ウィーンホールの美しい響きと優しく照らされたパイプオルガンが、天から降ってくる音の雫が紡ぎだされるようなイメージにピッタリ。曲の合間には作曲家のことや演奏するにあたっての村上さんの思いをご自身の言葉で語る時間もあり、ご来場のお客様も魅了されたのではないかと思います。
ウィーンホールは音響性能を最重要視したシューボックススタイルのホールで、残響可変装置という珍しい装置があります。この装置は天井に432本の白い筒状のパイプ棒を配しており、その上げ下げで残響時間を調節できます。空席時には2.16~2.67秒、満席時には1.8秒~2.2秒まで変化させること可能です。
これまで、何度もここで収録させて頂いていますので、ピアノソロに最適な残響設定もスムーズに進行します。iPhoneで撮ったものですが、残響可変装置を動かしている動画を掲載しておきます。調律中の単音を叩いている時を狙って調整しますが、ポールが収納されていくにつれて残響時間だけでなく響きの質が徐々に変化していく様子を感じて頂けると思います。
以前からリクエストされていたという、バッハ「シャコンヌ」、リスト「ラ・カンパネラ」の大曲を含め、約1時間半の初リサイタルは大きな拍手で終演しました。
収録した中からアンコールとして演奏された1曲をご紹介します。
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