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執筆者の写真Takahiro Sakai

昴21弦楽四重奏団 アコスタディオ

11月20日に原宿のアコスタディオで弦楽四重奏の収録をしてきました。昴21弦楽四重奏団は2002年に桐朋学園の学生だった4人によって結成され、19年目を迎える気鋭の弦楽四重奏団です。


昨年に引き続いての収録でしたが、今年はベートヴェンの弦楽四重奏曲 第7番 ヘ長調 作品59-1とシューベルトの弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」の2部構成。楽曲の内容からして、1つの演奏会で通しで演奏されることはあまりないのではないかと思われる稀に見るプログラム構成でした。革新性のエネルギーに満ちたベートヴェンと、彼に憧れながら若くしてこの世を去ったシューベルトの「死と乙女」への連なりも興味深く、否が応でも隣り合って墓石の下で眠る二人のことを思わずにはいられません。開演前から期待は高まり、会場からもその様子が伝わってきました。


アコスタディオはピアノの収録では何回か訪れていますが、弦の収録は初めて。スタジオ内は木の香りがする落ち着いた空間で、音決めのセッティングもやり易いと感じました。

今回の収録ではちょっと変わったマイクを使ってみました。スウェーデンに本社を構えるEhrlund社のマイクで、2つのカプセルを備えたEHR-Tというモデルです。2つのダイヤフラムがちょうど表裏に貼り合わせてあるような構造をしており、各々独立して出力ができるようになっています。これ1本でステレオ収録が可能で、今回はこれを使ってワンマイク収録にトライしてみました。


Ehrlund社は、このモデルに限らず、全てのマイクに三角のダイヤフラムを採用していることで有名な新鋭のユニークなマイクメーカーです。三角のダイヤフラムというと、ちょっと違和感を感じますが、この会社の説明ビデオを見ると独自の理論に基づいて精密に設計されていることが理解できます。スペックも素晴らしく、周波数特性は7Hz~87KHzという超ワイドレンジを誇ります。マイク自体が持つ内部ノイズも7dBAと低ノイズで、クラシックの収録にも十分耐えうるマイクだと思いました。興味のある方は、こちらのビデオをご覧ください。


ビデオ収録の方ですが、マイクの隣にDJI Pocket2を配しリアルタイムでリモート操作での収録にトライしてみました。このカメラは、Wi-Fiを介してタブレットやスマートホンと接続することができるモジュールが用意されており、専用アプリを通じてジンバルの動きやズームアップを遠隔操作できます。演奏者の目の前に配置して迫力ある動画撮影を目指しました。


来年は昴21弦楽四重奏団結成20周年を迎えるとのことですので、これからの活動がますます楽しみです。

収録から一部をご紹介します。







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