代官山教会チャリティーコンサート 尾鍋正子さん
- STUDIO 407 酒井崇裕
- 2022年6月2日
- 読了時間: 2分
更新日:2月12日
5月29日に代官山教会でチャリティーコンサートの収録をしてきました。ピアニストは尾鍋正子さんです。プログラムは、スカルラッティ、マクダウェル、ボルトキエヴィチ、グリーグ、ショパンの小品を中心にした内容で、穏やかな雰囲気の中、演奏への思いを語る尾鍋さんのトークも間に挟みながら、世の中が安らかに治まることを願うひと時でした。

ボルトキエヴィチはウクライナ・ハリコフ出身で、第一次、二次世界大戦の挾間に生きた音楽家です。出版社に保管されていた作品は空爆で焼失してしまい、膨大な作曲数からほんの僅かしか今日残されていません。ボルトキエヴィチは苦難の連続を経たのち、75歳になってから初めて彼の交響曲がヨーロッパ各地の大ホールで演奏されると、その半年後に息を引き取りました。
同じくウクライナのミロスラフ・スコリクの「メロディ」という曲も演奏されました。この曲は、今年3月、米国連邦議会でゼレンスキー大統領がビデオ演説をした際、爆撃によって廃墟となってしまったウクライナの街並みがスクリーンに映し出された時に流された曲だそうです。尾鍋さんは、このことを新聞記事で知り、すぐに楽譜を取り寄せ、コンサート直前でしたが、急遽プログラムに加えることにしたそうです。

会場となった代官山教会は演奏会場としても人気の場所ですね。礼拝堂ということもあって、静謐な雰囲気としっとり落ち着いた室内音響となっており、演奏者の息遣いと楽器本来の響きを間近に感じることができます。1914年製のヴィンテージ・ ニューヨーク・スタインウェイが常設されていることも、その理由のひとつだと思います。繊細で少し憂いを帯びて語りかけてくるこのピアノの響きは、この会場にとてもあっているように思いました。
牧師さまが開演前に大きくて立派なユリの花を添えてくれました。ユリの芳香と音楽が会場を満たした心地よい収録でした。
当日の演奏からグリーグのパートをご紹介します。
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