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執筆者の写真Takahiro Sakai

ライアーのレコーディング 「くどうさくら」さん

12月1日にライアーのレコーディングをしてきました。演奏者は「くどうさくら」さんで、収録地は Sala MASAKAさんです。

ライアーという楽器。レコーディングをするのは初めてのことで、いったいどんな響きなのか楽しみにしていました。人智学で有名なルドルフ・シュタイナーのアントロポゾフィー音楽療法で用いられることで知られていますが、ルーツは古く、原型となる竪琴は紀元前メソポタミア・エジプト文明のなかにすでに存在していたことが分かっています。



実際に奏でられる音を聞くと、とても繊細で、しかも、とてもとても小さい出音です。くどうさんがおっしゃるには、奏法によってもその響きは大きく変わってくるそうで、指先の指紋でなぞるように優しく楽器を愛でるように演奏すると、その場の空気が芳香で満たされていくような、独特の響きがします。音のお香が漂うとでも言ったらいいでしょうか。

「くどうさくら」こと工藤咲良さんは、生まれてからずっと音によって世の中を視ている人です。長年、ドイツに留学してアントロポゾフィー音楽療法士養成校 Musiktherapeutische Arbeitsstätte にて学び、ゲーテアヌム医学セクション認定音楽療法士となりました。海外で資格を取得した日本初のシュタイナー音楽療法士として帰国し、以来、音楽療法および音楽療法士の養成に携わっていらっしゃいます。著作もあり、音楽と執筆の活動を精力的に行っています。





そうした方ですから、別格の聴覚の鋭さをお持ちで、驚かされる場面が何度もありました。今回、一般的なABステレオとダブルカプセルのステレオを2セット準備し、どちらかよい方を選択するつもりでしたが、ほんの少しマイクの位置をずらしただけで、好ましいセットがどちらかを瞬時に選択されました。また、わずかな外来ノイズや、楽器から発する直接音と反射音の峻別も明確に認識しているようで、こういう方だからこそ、繊細な音色変化と響きのコントロールが可能なのだなと感得しました。


そのようなわけで、レコーディングは弱々音との闘いといった様相。エンジニアの立場からすると、外来ノイズ、機器自体が持つノイズ、空調ノイズ、動作の音(衣服の擦れる音や、演奏ノイズ)などは大敵で、かつ、音楽的な表現として好ましい音として収録しなくてはいけません。私としても貴重な経験になりました。

収録は演奏動画と音源で、現在、オンラインで販売開始となっていますので、是非、のぞいてみてください。



工藤さん制作の宣伝ビデオをご紹介します。最後のタオライアーの響きはとてもレアだと思いますので、是非、お聴きください。



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