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  • Takahiro Sakai

コンクール審査ビデオの収録について

最終更新: 2019年11月10日


STUDIO 407ではコンクール審査ビデオのご依頼も頂きます。これまで、国際コンペティション、国内有名コンクール、留学のための審査ビデオなどを収録させていただいております。嬉しいことに本選進出に進まれた方や上位入賞された方・団体も複数いらっしゃり、そんな時はご本人のような気持ちになって応援しています。

審査ビデオの収録は通常の収録とは異なる部分があり、これまで経験してきた中で大切と思われる事がいくつかあります。まず、該当するコンクールがアナウンスしている規定を注意深く理解することが必要です。審査ビデオの規定は意外とあっさり記述されていることが多いですが、収録方法やアングル、収録時期、提出フォーマットなどが簡潔に書かれています。この規定から外れるものは審査対象の条件を満たさないことになりますので、どれも重要です。とくに昨今、審査ビデオの提出方法はDVDディスクからネットを経由してのアップロードに変わってきており、動画フォーマットやデータ量の上限について書かれていることもありますので注意が必要です。言うまでもないことですが、収録した後の編集は絶対できません。

これら規定に準拠した形で収録を行いますが、エントリーする方の演奏をしっかり審査していただくよう収録内容にも気を配ります。クリアな音であること、演奏している様子がはっきり判る画質であることは言うまでもないですが、やはりその方の音楽的なポテンシャルと将来性がしっかり伝わるような収録に心掛けています。編集不可なため、納得のいくまで何回も演奏することになり、長時間の収録になることが多いですが、そんな場合でも精神的にリラックスして収録が進むよう、その場の雰囲気創りも大切です。恐ろしいことに、焦りや散漫な心は、音と映像に素直に出てしまいますので、鋭い審査員の目にはすぐに見抜かれてしまうものと想像します。その人の普段の音楽性が十分発揮できるような環境づくりに一番気を使います。

収録のテクニカルな面ですが、音声に関してはSTUDIO 407のレコーディング・クオリティで収録し、恣意的な後処理は一切行いません。審査用には音のレベルが大きい方が有利だという誤った噂があるようですが、耳の鋭い審査員に通じようもないので行わないのが賢明です。とくにクラシックに通じたエンジニアでないと、こうした処理をされてしまう恐れがありますので注意が必要です。マイク・セッティングもしかりです。ビデオの収録は、アングルや照明にも気を使います。しっかり演奏している様子がクリアに収録できるようにしないといけません。昨今のネット経由のアップロード提出では、データ量が規定されている場合があり、クオリティを損なわないエンコード(画像圧縮)のノウハウも必要になってきます。同じデータ量であっても、画像処理の方法で画質クオリティは驚くほど違ってきます。

その他、細かい収録のノウハウがいろいろありますが、最後に、ある国際コンペティションの審査員が述べたことが印象に残っていますので記します。おおよそこんな内容を述べていらっしゃいました。


「もっと提出ビデオに気を配って欲しい。提出されたものが貧弱なクオリティだと、その人の音楽性もそうなのかと思ってしまう。そういう音を許す耳なのかと思ってしまう。」



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